[AWS]Bedrock ハイパーパラメータ設定

ツール

業務内容や学習データ量に応じたハイパーパラメータの参考値をご提案します。Amazon Bedrockではモデルやタスクによって最適値が異なりますが、下記は一般的なベンチマークです。

自然言語処理 (NLP) タスク

(例:テキスト分類、感情分析、NER)

データ規模EpochsLearning RateEarly Stopping Patience
小規模
(1,000~10,000件)
10~201e-4 ~ 3e-43~5 epoch
中規模
(10,000~100,000件)
15~305e-5 ~ 2e-45~8 epoch
大規模
(100,000件~)
20~401e-5 ~ 1e-48~12 epoch

特徴

  • 学習率は低めに設定(言語モデルの微調整は急激な更新を避ける)
  • Early Stoppingは過学習防止が必須(特に小規模データ)

画像認識 (CV) タスク

(例:画像分類、物体検出)

データ規模EpochsLearning RateEarly Stopping Patience
小規模
(1,000~10,000枚)
20~501e-3 ~ 1e-25~10 epoch
中規模
(10,000~50,000枚)
30~1001e-4 ~ 1e-310~15 epoch
大規模
(50,000枚~)
50~200+1e-5 ~ 5e-415~20 epoch

特徴

  • Epoch数が多め(画像データは局所的特徴の学習に時間が必要)
  • 学習率はNLPより高めでOK(初期層は凍結することが多いため)
  • データ拡張と組み合わせると効果的

レコメンデーションシステム

(例:協調フィルタリング、CTR予測)

データ規模EpochsLearning RateEarly Stopping Patience
小規模10~301e-3 ~ 5e-35~8 epoch
中規模20~501e-4 ~ 1e-38~12 epoch
大規模30~1001e-5 ~ 5e-410~15 epoch

特徴

  • スパースデータが多いため学習率は低めから開始
  • Implicit FeedbackデータはEarly Stoppingを厳重に

時系列予測タスク

(例:需要予測、売上予測)

データ規模EpochsLearning RateEarly Stopping Patience
小規模
(1年分未満)
50~1501e-4 ~ 1e-310~20 epoch
中規模
(1~3年分)
100~3001e-5 ~ 5e-420~30 epoch
大規模
(3年分~)
200~500+1e-6 ~ 1e-430~50 epoch

特徴

  • Epoch数が最も多い(長期依存関係の学習に時間を要する)
  • 学習率は非常に低く設定
  • Patienceは大きめ(改善が段階的に発生するため)

調整のベストプラクティス

  1. 初期設定
    • 学習率: 1e-4 (NLP/CV) または 1e-3 (レコメンド)
    • Epochs: 中規模データの値を基準
    • Early Stopping: patience=10 から開始
  2. 学習率スケジューリング
   # Bedrock推奨スケジュール例
   {
     "type": "linear_decay",
     "start_lr": 1e-4,
     "end_lr": 1e-6,
     "total_steps": total_training_steps
   }
  1. Early Stopping設定例
   {
     "monitor": "validation_loss",
     "patience": 15,
     "min_delta": 0.001,
     "restore_best_weights": true
   }
  1. データ量に応じた調整指針
    • データ量が2倍 → Learning Rateを√2倍増加
    • データ量が10倍 → Epochsを20~30%削減

注意事項

  • モデル依存性: Titan Text/Imageなど基盤モデルにより最適値が異なります
  • タスク固有性: 同じ業務領域でもタスク(例:NER vs 要約)で設定が変化
  • 検証頻度: 大規模データではvalidation_freqを増加(例:1 epoch毎→2 epoch毎)
  • ベンチマーク: 必ず小規模データ(10%)でハイパラ探索を実施
  • Bedrockの制約: 選択したインスタンスタイプ(例:ml.g5.xlarge)で利用可能な最大Epoch数を確認

実際のプロジェクトでは、自動ハイパラ最適化(Hyperparameter Optimization – HPO) を利用し、Bayesian Optimizationによる探索を推奨します。Bedrockの管理コンソールから簡単に設定可能です。

これらの値は出発点としてご活用いただき、実際のデータ分布やビジネス要件に合わせて調整してください。

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