「不要な画像サイズ(サムネイル)をそもそも生成しない」 というアプローチは、サーバーの容量を節約する上で圧縮以上に効果的な、まさに「エコ運用」の最適解です。
WordPressは画像を1枚アップロードすると、勝手に「大・中・小・中大・テーマ専用サイズ…」と5〜10枚ほどの複製(リサイズ版)を自動生成します。使っていないサイズを生成停止するだけで、容量消費を1/3以下に抑えることも可能です。
EWWW Image Optimizer(無料版)を使った、容量節約特化のベストプラクティス設定をステップバイステップで解説します。
ステップ1:【最重要】不要なサイズ生成の停止(エコ設定)
これが今回のご質問の核心部分です。
- WordPress管理画面から 「設定」 > 「EWWW Image Optimizer」 を開きます。
- 「リサイズ」(Resize)タブをクリックします。
- 「リサイズを無効化」(Disable Resizes)という項目を探します。
- ここには、WordPress本体やテーマが登録している画像サイズの一覧が表示されます。
- 推奨設定(チェックを入れる=生成しない):
- Medium Large (768px): ほとんどの場合不要です。チェック推奨。
- 1536×1536: 最近のWPで追加された巨大サイズ。不要ならチェック。
- 2048×2048: 同上。不要ならチェック。
- その他: テーマ独自のサイズで「明らかに一覧表示などで使っていないサイズ」があればチェック。
- ※注意:
Thumbnail(サムネイル)、Medium(中)、Large(大) は、記事内や一覧で使われることが多いので、チェックを外したまま(生成する状態)にしておくのが無難です。
ステップ2:基本圧縮設定(基本タブ)
次に、生成される画像のデータ量を減らす設定です。 「基本」 タブで行います。
- メタデータを削除 (Remove Metadata):【オン】
- 撮影日時やGPS情報などを削除します。画質を変えずに容量を減らせるので必須です。
- 遅延読み込み (Lazy Load):【オン】
- 容量削減ではありませんが、表示速度が劇的に上がるのでオンにしておきましょう。
- ※テーマ自体に遅延読み込み機能がある場合は、競合を避けるためオフにします。
- 画質レベル (JPG/PNG/GIF):
- 無料版の場合、「ピクセルパーフェクト(可逆圧縮)」 のままでOKです。これ以上圧縮しようとすると有料プランが必要になったり、画質劣化が目立つ場合があります。
ステップ3:次世代フォーマット WebP の導入(基本タブ)
画像をより軽量なWebP(ウェッピー)形式に変換して配信する設定です。
- WebP変換 (WebP Conversion): 【オン】 にチェック。
- 変更を保存 をクリック。
- 保存後、下に新しい設定項目が出てきます。
- WebP の配信方法: 「JS WebP リライト」 または 「<picture> WebP リライト」 が推奨されます。
- 画面に出ている指示に従い、
.htaccessへの記述が必要な場合はボタンを押して挿入します(サーバー環境によりますが、最近はボタン一つで完了することが多いです)。
ステップ4:過去の画像を最適化する(一括最適化)
設定を変えただけでは、「これからアップロードする画像」 にしか適用されません。過去の画像にも適用しましょう。
- 左メニュー 「メディア」 > 「一括最適化」 をクリックします。
- 「最適化されていない画像をスキャンする」 をクリック。
- 「〇〇点の画像を最適化」 ボタンを押して待ちます。
- ※枚数が多いと数時間かかることがあります。ブラウザを開いたままにしておく必要があります。
運用上のアドバイス:さらにエコにするには?
EWWWの設定以外で、さらに容量を削るなら以下の 「設定 > メディア」 も確認してください。
- WordPress標準のサイズ設定:
- もしブログのデザイン上、「大サイズ(Large)」や「中サイズ(Medium)」を全く使っていない(フルサイズしか貼らない)のであれば、ここの数値をすべて 「0」 にしてください。
- そうすると、EWWWの設定以前に、WordPressがそのサイズの生成自体を完全にストップします。
まとめ:推奨設定リスト
| 設定項目 | 推奨値 | 理由 |
| メタデータを削除 | オン | 画質そのまま容量削減 |
| WebP変換 | オン | 配信サイズを大幅軽量化 |
| リサイズを無効化 | 1536, 2048, Medium_Large等 | ここが一番効きます。 無駄な複製を作らせない |
| 画質レベル | ピクセルパーフェクト | 無料版ならこれで十分 |
まずは「リサイズ」タブで、明らかに不要な巨大サイズ(1536や2048など)を無効化することから始めてみてください。これだけでディスク使用量の増加ペースがガクッと落ちるはずです。


コメント