[Fabric]独自パターン作成手順

TIPS

Fabricの「Pattern(パターン)」とは、AIに対する「役割(Role)」「指示(Instructions)」をパッケージ化したものです。

自作のカスタムパターンを追加することで、自分専用の専門家をCLIから一瞬で呼び出せるようになります。ここでは、「Gitの差分から、規約に則ったコミットメッセージを生成する」プロンプトを例に、詳細な手順を解説します。

ステップ 1:ディレクトリ構成を理解する

Fabricのカスタムパターンは、特定のディレクトリにフォルダを作るだけで追加できます。まずはその場所を確認しましょう。

  • 標準パス: ~/.config/fabric/patterns

この中に「フォルダ名 = パターン名」となるように構成します。

ステップ 2:パターンのフォルダを作成する

今回は、Gitのコミットメッセージを生成する git_commit_gen というパターンを作ります。

# パターン用のフォルダを作成
mkdir -p ~/.config/fabric/patterns/git_commit_gen

ステップ 3:system.md を作成する

Fabricのプロンプト本体は、必ず system.md という名前で作成します。

# system.md ファイルを作成
touch ~/.config/fabric/patterns/git_commit_gen/system.md

ステップ 4:プロンプト(指示書)を記述する

ここが最も重要な工程です。Fabricの標準パターンにならい、「役割」「ゴール」「出力形式」を明確に記述します。

~/.config/fabric/patterns/git_commit_gen/system.md をエディタで開き、以下の内容を記述してください。

# ROLE
あなたは経験豊富なシニアエンジニアであり、Gitのコミット規約(Conventional Commits)の達人です。

# GOAL
入力された `git diff` の内容を分析し、変更の意図を正確に反映したコミットメッセージを生成してください。

# RULES
- 形式は `type: description` としてください。
- typeは [feat, fix, docs, style, refactor, test, chore] から適切なものを選択してください。
- メッセージは日本語で、簡潔に記述してください。
- 重要な変更がある場合は、3行目以降に箇条書きで詳細を記述してください。

# OUTPUT EXAMPLE
feat: ユーザー認証機能にOAuth2を追加

- Googleアカウントでのログインに対応
- session管理用のライブラリをアップデート

ステップ 5:カスタムパターンの実行

作成したパターンは、すぐに -p オプションで呼び出すことができます。

動作確認

適当なテキストを流し込んで、指示通りに動くかテストします。

echo "ログイン画面のバリデーションバグを修正しました。" | fabric -p git_commit_gen

実戦での使い方

実際の開発ワークフローで、git diff の内容を直接流し込みます。

# 現在の差分を読み取ってコミットメッセージ案を作る
git diff | fabric -p git_commit_gen

ステップ 6:さらに精度を上げるための「手引き」

自作パターンの精度が安定しない場合は、以下の3点を system.md に追加してみてください。

1. 不必要な出力を禁止する

AIが「はい、わかりました。以下の通り生成します」といった余計な挨拶をしないよう、「出力はメッセージ本体のみとし、解説や挨拶は一切含めないでください」という一文を RULES セクションに加えます。

2. 少数の例(Few-shot)を入れる

# EXAMPLES セクションを作り、「こういう入力の時は、こういう出力を出す」という例を2〜3セット記述すると、AIは一気に賢くなります。

3. コンテキストを強化する

もし特定のプロジェクト(例:LaravelやReactなど)専用にしたい場合は、「このプロジェクトはTypeScriptとNext.jsを使用しています。型定義の変更には特に注意を払ってください」といった背景情報を書き込むと、より的確な指摘が返ってくるようになります。

便利な管理術:パターンの即時編集

自作パターンを頻繁に微調整したい場合は、エディタで直接開くためのエイリアスを .zshrc に作っておくと便利です。

# 設定例:fedit git_commit_gen と打てばVS Codeで開く
alias fedit='code ~/.config/fabric/patterns'

これで、いつでも自分の「AI専門家軍団」を拡張し、磨き上げることができるようになります。

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