ARTEX は、中国のセキュリティエンジニア(ハンドルネーム Autumn-27)が開発したAI自律型ペネトレーションテスト(侵入テスト)システムです。Go言語のバックエンドと Next.js のフロントエンドで構成され、データベースには PostgreSQL を使用します。
![[ARTEX]中国発のAIツールが引き起こしたサイバー攻撃騒動](https://mtoy.work/develop/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/b3c5e22cfec82ecdda7761745fb9d908.jpg)
最大の特徴は、それ自体が AI モデルではない点です。Anthropic の Claude、OpenAI の GPT、DeepSeek などの外部 LLM を API 経由で接続し、AI エージェントが自律的に目標を分解し、実際のセキュリティツールを実行しながら侵入テストを進める「オーケストレーター」として機能します。
得意分野と技術的特徴
ARTEX の「得意分野」は、本来防御側の脆弱性診断を自動化・高速化することにありました。
全自動の偵察から脆弱性検証まで
ユーザーが対象と範囲を設定すると、AI が資産探索、脆弱性スキャン、ツール呼び出しによる検証までを一気通貫で実行します。人手による模擬ハッキングのプロセスを AI エージェントが代替する設計です。
マルチ LLM 対応とエージェント管理
UI 上で LLM の API キー(Anthropic または OpenAI 互換)を設定でき、複数の AI モデルを切り替えて利用できます。「計画者(Planner)」と「実行者(Worker)」の役割分担により、探索結果をフィードバックしながら次の攻撃手順を自律決定します。
資産管理との連携
ScopeSentry という資産管理ツールからドメイン・IP・ポート情報を同期し、資産グラフ上でエージェントが効率的に探索できる仕組みを備えていました。
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実際の攻撃への悪用
2026年9月末から10月にかけ、韓国の金融機関(新韓銀行、KB国民銀行、ハナ銀行など16機関、約10万件の情報漏洩)への攻撃に ARTEX が使用された痕跡が確認されました。攻撃インフラの一部からは「ARTEX-自主渗透試控制台」という中国語文字列も検出されています。
さらに 日本企業 への攻撃でも、GMOインターネットグループの調査により、保険・金融・物流など約80社を標的とした攻撃サーバー6台すべてに ARTEX の使用痕跡があったことが判明しています。
![[ARTEX]中国発のAIツールが引き起こしたサイバー攻撃騒動](https://mtoy.work/develop/wp-content/uploads/sites/3/2025/12/unauthorized_access-160x90.jpg)
ダウンロード先と現状
オリジナル配布元:github.com/Autumn-27/ARTEX は現在アクセス不可です。開発者は悪用を認め、プロジェクトの非公開化と更新停止を宣言しました。
現在入手可能なもの(参考情報・自己責任):
| 種類 | リポジトリ / 入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| ソースコードバックアップ | github.com/Hinln/ARTEX など複数 | v0.3.15 ベース、AGPL-3.0 |
| 継続メンテナンス版 | github.com/RuoJi6/ARTEX | Docker イメージ ruoji6/artex を配布 |
| 韓国語ローカライズ版 | github.com/dbc-hbin/artex-ko など | UI とレポートを韓国語化 |
| オンラインデモ | artex-demo.vercel.app | 機能確認用(攻撃用途ではない) |
注意: これらのサードパーティ版はあくまでコードのフォークであり、オリジナル開発者による公式サポートはありません。また、中国のセキュリティ企業「Srettbook(斯瑞特ブック)」が ARTEX の商用版を含む統合プラットフォーム「RedAgents.ai」を準備していると報じられていますが、これは一般公開前の段階です。

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