🌸神社で差がつく!祝詞(のりと)の正しい唱え方

雑学

昨今御朱印を集めることが流行っていますが、せっかく神社に行かれるのであれば祝詞(のりと)を唱えて運気アップ!

略拝詞
「祓(はら)えたまえ、清(きよ)めたまえ、神(かむ)ながら守りたまえ、幸(さきわ)えたまえ」

神社で用いられる祝詞の一覧です。一般的なもの(全神社で共通)と、神社の種別や神事に特化したものに分けて整理しました。神道における祝詞は、神様への祈り・感謝・祓いを目的とし、言霊(ことだま)の力で神と繋がるとされています。

神さまへの祈りのことば

祝詞とは、祭典に奉仕する神職が神さまに奏上する言葉のことです。
その内容は、神饌(しんせん)・幣帛(へいはく)などを供え、御神徳に対する感謝や称辞(たたえごと)を奏し、新たな恩頼(みたまのふゆ)を祈願するというものが一般的な形です。

その起源は古事記や日本書紀に記される「天岩屋戸」という神話の中にも見ることができます。
この神話には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)がお隠れになられた天の岩屋の前で、天児屋命(あめのこやねのみこと)が立派な祝詞である「布詔戸言(ふとのりとごと)」という祝詞を奏上したことが記されています。
また、「延喜式(えんぎしき)」という律令の施行細則を纏めた法典には、現存する最古のものとして「朝廷の祭儀に関わる二十七編の祝詞」が収録されており、現在でも重視されています。

古くから信じられる言葉の力

日本は古くから「言霊(ことだま)の幸(さきわ)う国」とも称されるように、言霊に対する信仰が見られます。
言葉には霊力が宿り、口に出して述べることによりこの霊力が発揮されると考えられています。
例えば、忌み嫌われる言葉を話すと良くないことが起こり、逆に祝福の言葉を話すと状況が好転するという考え方があります。
婚礼などの祝儀の際に忌み言葉を使わないよう注意を払うのも、こうした考えによることなのです。
祝詞には、こうした言霊に対する信仰が根底にあるため、一字一句に荘厳かつ美しい言い回しを用いて、間違えないよう、慎重に奏上されます。

一般的な祝詞(全神社で共通)

どの神社でも用いられる基本の祝詞です。参拝時の心身の清めや願い事の前提として重要です。

祝詞名主な用途使用場面由来・特徴
祓詞(はらえことば)心身の罪・穢れ(けがれ)を祓う神事の冒頭、参拝前伊邪那岐神の禊(みそぎ)神話に基づく。祓戸大神(4柱)の力を借りる。
大祓詞(おおはらえことば)半年分の罪穢れを祓う(個人・国家レベル)6月・12月の大祓式中臣氏(なかとみうじ)が起源。1,300年以上の歴史を持つ。
天津祝詞(あまつのりと)短縮版の祓い祝詞(初心者向け)日常参拝、神棚拝礼大祓詞の核心部分。高天原(神の世界)を意識し「神留坐す(かむづまります)」で始まる。
略拝詞(りゃくはいし)簡易的なお祈り(覚えやすい)時間がない時、家庭での神拝「祓えたまえ、清めたまえ、神ながら守りたまえ、幸えたまえ」の4句。
神棚拝詞(かみだなはいし)家庭の神棚向け自宅での日々の拝礼産土神(うぶすながみ)や氏神への感謝を伝える。

神社の種別・神事別の祝詞

特定の神社や祭祀で用いられる専門性の高い祝詞です。

祝詞名対象神社・神事主な用途由来・特徴
稲荷祝詞稲荷神社(伏見稲荷大社など)商売繁盛・五穀豊穣の祈願稲荷神(宇迦之御魂神)への奉納に特化。
龍神祝詞龍神を祀る神社(貴船神社など)雨乞い・水の恵みを願う水神への祈り。古神道の秘儀とされる。
神楽詞(かぐら)神楽舞を奉納する祭祀神を招き・楽しませる舞と一体化したリズミカルな詞。地域・流派で異なる。
神葬祭祝詞(しんそうさい)神道葬儀(通夜祭・埋葬祭など)故人を祖霊として祀る死を「穢れ」とせず、清めて霊界へ送る。
遷座祝詞(せんざ)社殿移転・御神体遷座の儀式神霊を新たな社殿へ移動させる伊勢神宮の式年遷宮などで使用。
六根清浄(ろっこんしょうじょう)修験道・神仏習合の神社(熊野三山など)六根(目・耳・鼻・舌・身・意)の清め仏教の影響を受けた祝詞。

初心者へのアドバイス

  • おすすめの祝詞
    最初は「祓詞」か「略拝詞」から始めると良いでしょう。短く実用的で、神社本庁も一般向けに普及を推進しています。
  • 唱え方のポイント
    • 神前で二礼二拍手した後、心を込めて唱える。
    • 自宅の神棚では「神棚拝詞」を毎朝唱えると良い。
    • 意味が分からなくても「言霊の力」が働くため、音読するだけで効果があるとされる。

参考例(略拝詞)
「祓(はら)えたまえ、清(きよ)めたまえ、神(かむ)ながら守りたまえ、幸(さきわ)えたまえ」
(意味:お祓いください、お清めください、神様のお力でお守りください、幸せを与えてください)

祝詞の基礎知識

  • 起源
    天岩戸神話で天児屋命(あめのこやねのみこと)が天照大御神に奏上したのが始まり。
  • 目的
    • 神への「気持ち・言葉・行動」の捧げもの(身口意の一致)。
    • 罪穢れの祓いにより「本来の自分」を取り戻す。
  • お経との違い
    お経が仏の教えの学び直しであるのに対し、祝詞は神への直訴・対話である。

まとめ

昨今、御朱印を集めることが広く流行していますが、せっかく神社を訪れるのであれば、さらに一歩進んで「祝詞(のりと)」を唱えることで、より深い体験と運気アップが期待できます。祝詞とは、神道において祭典に奉仕する神職が神様へ奏上する言葉のことで、その内容は、神饌や幣帛を供え、御神徳への感謝や称賛を述べ、そして新たな恩頼(みたまのふゆ:神様からの恵み)を祈願することが一般的な形です。

祝詞は単なる言葉ではなく、「言霊(ことだま)」の力によって神と繋がり、願いを届けるとされています。その起源は非常に古く、日本の神話が記された「古事記」や「日本書紀」にもそのルーツを見ることができます。特に有名なのが「天岩屋戸(あまのいわやと)」の神話で、天照大御神がお隠れになった天の岩屋の前で、天児屋命(あめのこやねのみこと)が「布詔戸言(ふとのりとごと)」という立派な祝詞を奏上したと記されています。これは、祝詞が神話時代から神と人とのコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしてきた証拠です。

また、現存する最古の祝詞集としては、平安時代に編纂された律令の施行細則をまとめた法典「延喜式(えんぎしき)」に、朝廷の祭儀に関わる27編の祝詞が収録されています。これは、当時の国家的な祭祀において祝詞がどれほど重視されていたかを示しています。

多忙なビジネスマンの方々が神社で祝詞を唱えることは、日々の喧騒から離れ、精神的な安寧を得るだけでなく、言霊の力を借りて自己の目標達成や運気向上に繋がる、新たな自己啓発の形となるでしょう。まずは「祓えたまえ、清めたまえ、神ながら守りたまえ、幸えたまえ」という略拝詞から始めてみてはいかがでしょうか。

参考

祝詞 | おまつりする | 神社本庁公式サイト
神社本庁の公式サイトです。このページでは、「祝詞」についてご案内します。神社本庁は、伊勢神宮を本宗と仰ぎ、全国8万社の神社を包括する組織として昭和21年に設立されました。

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