円キャリー巻き戻しで日本株急落?2025年秋の衝撃

雑学

皆さんは「2025年9月」という時期に、特別な意味があることをご存知でしょうか?世界経済がまさに「95年ぶりの大変な時代」を迎えるかもしれない、と指摘されています。その根底にあるのは、米国債の処理、資金繰りの問題、そして巨額の対外負債という、アメリカ経済が抱える深刻な課題です。表面的な米国の関税問題も、実はこれら本質的な負債問題から派生していると言われます。

かつて1930年には、スムート・ホーレー法という関税法が世界恐慌へと繋がりましたが、今、それに匹敵する時代変化が2025年以降に想定されています。今回は、この複雑な問題を解き明かし、迫りくる変化にビジネスマンとしてどう向き合うべきか、そのヒントを探ります。

アメリカが抱える「巨額の負債」の正体

アメリカの負債は、私たち日本人にとって想像を絶する規模に膨れ上がっています。まず、米国政府の負債である**米国債残高は、実に37兆ドル(約5300兆円)**に達しています。これは2022年のコロナ対策費とウクライナ紛争が主な原因で、わずか数年で14兆ドルも増加しました。

さらに深刻なのは、米国が抱える対外負債が30.8兆ドル(2024年時点)に上り、しかも年間3兆ドルずつ増加している点です。日本の国債のほとんどを国内で消化できるのに対し、米国は資金収支が赤字国であるため、自国で発行する国債を国内で消化する力がありません。結果として、海外からの資金流入(米国債やドル建て資産の購入)に大きく依存している構造なのです。2025年度には、満期を迎える国債の償還8兆ドルに加え、新規財政赤字分の2兆ドル、合計10兆ドルの米国債が発行される予定であり、これは史上最大の規模となります。

トランプ政権(とベスセント財務長官)の「なりふり構わぬ」債務解消戦略

トランプ政権と財務長官のベスセント氏の最大のミッションは**「米国を破産させないこと」**にあります。そのために講じられている対策は、多角的かつ強硬なものばかりです。

貿易赤字対策:輸入関税とGDP比5%の防衛費要求

トランプ氏は、貿易赤字解消のために、平均20%の輸入関税を世界全体に課すことを提案しています。これにより年間6000億ドルの政府収入を見込む一方で、この関税は米国民が物価上昇として負担することになります。

さらに、日本とEUに対しては、GDP比5%の軍事費負担を強く要求しています。現在の日本の軍事費は約7兆円(GDP比1.2%)ですが、これを5%に引き上げると31兆円にもなり、消費税20%に匹敵する増税が必要になると試算されています。この要求の裏には、増加した軍事費でアメリカ製の武器を輸入させ、米国の輸出を増やし、貿易赤字を改善させる狙いがあります。

国債対策の「切り札」:ジーニアス法とステーブルコインの衝撃

巨額の米国債を処理するための本命とされるのが、2025年7月に米国議会で成立した「ジーニアス法」です。これは、民間金融機関が米国債を担保に、ドルに連動するステーブルコイン(仮想通貨の一種だが現金同等)を発行することを認める法律です。

これにより、実質的に米国債が「現金化」され、FRB(中央銀行)が行う量的緩和(ドル増刷)を、民間銀行が行う形になります。これはFRBから通貨発行権を奪うとも言える大きな変化です。この「民間によるドル増刷」は、マネーサプライ(通貨供給量M2)を急増させ、インフレとドル下落を引き起こす可能性が高いと予測されています。

「軍事の論理」で他国の外貨準備を狙う:マーラ合意の恐るべき主張

さらに見過ごせないのが、トランプ氏とベスセント氏が唱える**「マーラ合意」の論理**です。これは、米国が戦後80年間、世界の警察官として秩序を保ち、消費市場やドルを世界に提供してきた結果、他国が巨額の貿易黒字と外貨準備を蓄積できた、という主張に基づいています。

その論理から、米国は海外諸国が持つ17兆ドルもの外貨準備に対して「指揮権」を持つべきだと主張しているのです。これは、ロシアの3000億ドルの外貨準備がウクライナ戦争時に事実上没収された事例と同じ考え方であると指摘されており、日本に対しても80兆円ものSWF(政府系ファンド)への出資を要求し、その資金の使い道や利益の90%を米国が握るという、極めて強引な姿勢を見せています。

2026年に何が起こるか?ドル、株価、そして世界経済の激変シナリオ

これらの対策と問題の進行は、2025年9月以降、世界経済に大きな影響を及ぼすと予測されています。

ドル安の加速:第二のプラザ合意が到来か

まず、2025年9月から10月にかけて、米国の利下げと日銀の利上げ(または利上げ観測)により、日米金利差が縮小すると見られます。これにより、低金利の円を借りて高金利のドル資産に投資する「円キャリー取引」の巻き戻しが起こり、急速な円高・ドル安が進む可能性が高いとされています。過去の経験から、10~20%程度のドル安・円高が一気に進むことも考えられます。

さらに、ジーニアス法によるドル増刷効果が顕在化することで、ドルは大きく価値を下げ、1985年のプラザ合意に匹敵する「第二のプラザ合意」が2026年~2027年にかけて起こる可能性が指摘されています。現在の1ドル147円台から、穏やかに見て115円~110円程度までドルが下落するシナリオも現実味を帯びてきます。

ドル安は、他国が保有する外貨準備のドル建て資産価値を減少させ、結果的にドルが基軸通貨としての役割を終える方向に加速させると予測されています。世界貿易におけるドルの決済比率は、現在の58%から2028年には30%にまで低下し、BRICS連合が発行する金ペッグ暗号通貨が50%程度を占める可能性も示唆されています。

株価は「乱高下」:2026年不安定相場の予想

2026年の株式市場は、極めて不安定な**「乱高下」相場**になると見られます。

  • 2025年9月~10月: 日米金利差縮小と円キャリー取引巻き戻しにより、日米ともに株価が急落するリスクがあります。昨年7月の日銀利上げ時、日本株が20%、米国株が12%急落した「日本版ブラックマンデー」のような事態が、今回も起こる可能性は非常に高いとのことです。
  • 2026年1月~3月: 米国の追加利下げがあれば、金利差縮小がさらに進み、同時暴落のリスクが高まります。バブル崩壊に近い形で、最大50%の下落も「ないとは言えない」と警鐘が鳴らされています。
  • 2026年3月以降: ステーブルコインの本格的な発行増加により、マネーサプライが拡大し、金価格が高騰し、インフレが再燃する中で、底値まで下がった株が再び買われ、一時的に反騰する可能性も指摘されています。
  • 2026年6月以降: 米国でインフレが高まると、名目金利が上がらない中で実質金利がマイナスとなり、ドル安が進む一方で、株価は上がるという逆転現象が起こる可能性もあります。

ビジネスマンとして今、考えるべきこと

このように、2025年9月以降の世界経済は、米国の巨額負債問題と、それを解決するための「異例の」金融・外交政策により、激動の時代を迎えることになります。ドル安、インフレ、そして株価の乱高下は、あなたの資産形成やビジネス戦略に大きな影響を及ぼすでしょう。

目の前の情報に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で世界経済の構造変化を捉え、常に最新の情報を更新し続けることが、この「大変な時代」を乗り切るための鍵となります。

まとめ

2025年9月以降、米国債37兆ドルと対外負債30.8兆ドルを背景に世界経済は「95年ぶりの大変な時代」へ。トランプ政権は輸入関税、日本へのGDP比5%軍事費要求、民間によるドル増刷「ジーニアス法」、他国の外貨準備への指揮権主張「マーラ合意」で債務解消を狙う。結果、ドル安加速(第二のプラザ合意)、株価乱高下、ドル基軸通貨体制の動揺が予測される。

コメント

タイトルとURLをコピーしました