世界の上半期の株式市場は、多くの懸念材料があるにもかかわらず、日米ともに過去最高値を更新し、S&Pは6200台に達しました。
これは主に政府の過剰な「財政ばら撒き」による資産バブルの拡大が原因であり、金利や地政学リスクの影響を凌駕していると分析します。特にアメリカの国家負債は37兆ドルを超え、40兆ドル到達も間近とされ、この負債バブルは誰が政権を担っても止まらない「暴走する列車」と表現されています。
トランプ氏は国債の利払い軽減のためFRBに大幅な利下げを要求していますが、中央銀行は借金を考慮しない姿勢です。
利下げは不動産・株式・暗号資産のバブルを一層加速させ、富裕層のみが潤い、住宅購入が困難な若年層など、国民の不満が高まる構造が懸念されています。
上半期の株式市場と財政政策の影響
2024年上半期、世界情勢が不安定な中、日米の株価は高値を更新し、S&Pは6200台に達しました。
この現象は、トランプ関税や戦争といった出来事が相場に影響しないかのように見え、一般人には理解しにくいほどです。その最大の理由として、政府による「財政ばら撒き」、すなわち過度な金融緩和が挙げられます。金利や政治、関税すら現在の相場にはほとんど関係なく、ばら撒かれた資金が株価を押し上げていると指摘します。トランプ大統領は選挙公約とは裏腹に、さらなる資産バブルで全てを埋め合わせるとし、富裕層に利益が集中する政策を推進しています。イーロン・マスクも当初は政府の効率化に期待しましたが、このばら撒き政策を批判し、アメリカが破産すると警告しています。
深刻化するアメリカの債務問題と「負債バブル」
現在、アメリカの債務問題は深刻化しており、国家債務は37兆ドルに達し、40兆ドルも時間の問題とされています。レイ・ダリオ氏の警告(GDP比3%以上の債務は債券市場を混乱させる)を大幅に超えるGDP比6%の水準にあり、手の施しようがない状況です。注目するアナリスト、リーン・オルディン氏は**「この列車(負債バブル)を止めるものは何もない」**と述べ、バイデン、トランプ、カマラ・ハリス、誰が大統領になっても借金が増え続ける構図は変わらないと指摘しています。この暴走する列車がいつか脱線するのではないかとの懸念がエコノミストの間で広まる一方、株式市場は「トランプが金ばら撒き、金利を下げるなら上がる」という期待で動いています。国民の税金負担やインフレ、最終的な債務不履行への道が懸念されていますが、借金問題は解決に向かう兆しが見えません。
金利政策と社会への影響
トランプ氏は、増大する国債の利払い費を減らすため、FRB(連邦準備制度理事会)に対し、日本やスイスのように大幅な利下げを強く要求しています。《画像:3:40》しかし、FRBは金融政策においてアメリカの借金を考慮しないと明言しており、歴史上、株価と住宅市場が高値圏にある状況で大幅な利下げを行った例はないと述べます。利下げは資産バブルをさらに加速させ、株や土地、家を持つ富裕層は恩恵を受けるものの、大多数の一般市民は恩恵を受けません。特に住宅価格はリーマンショック時の住宅バブルのピークをはるかに超えており、若い世代にとって住宅購入は困難になっています。さらに、学生ローン返済の開始やAIによる雇用の代替など、若年層の不満が高まっており、こうした政策は世代間の不満を増大させるだけだと批判されています。
グローバル経済と資産価値の相対性
名目上、日経平均株価は上昇しているように見えますが、ドルベースや円の購買力で見た場合、その実質的な価値には疑問符がつきます。《画像:5:20》例えば、アベノミクス以降、円の購買力が半減しているため、日経平均が2万円から4万円に倍増しても、ドルベースでは実質的な上昇がないのと同義であると解説します。一般の人々は、給料が名目上で上がったとしても、インフレによる購買力の低下を認識しにくく、これが政治家や中央銀行が実質的な借金を減らす「ステルス戦略」として利用されていると指摘されています。資産運用においては、名目値だけでなく、通貨の価値変動やインフレを考慮した相対的な視点が不可欠であると強調されています。
市場の現状
例えば、高値で買い、さらに高値で売る、あるいは安値で売り、さらに安値で買い戻すといった行動は、理性的な判断とは異なり、知性がある人には難しいです。レッドソックスのオーナーであるジョン・ヘンリー氏も徹底したトレンドフォローの実践者として紹介されており、その言葉「私たちはトレンドにただついていくだけだ」を引用し、自身の哲学を語っています。現在の市場が経済状況と乖離して上昇を続ける中で、感情に流されず、数学的アプローチで売買することが重要であると強調します。
まとめ
上半期の株高が戦争や金利ではなく、政府による財政のバラマキ、すなわち負債バブルと資産バブルによって引き起こされていると分析します。
米国の国家負債は37兆ドルを超え、40兆ドルも時間の問題であり、レイ・ダリオが警告するようにGDP比3%以内に借金を抑えなければ債券市場が混乱すると指摘しています。現状がその倍の6%に達しているため、もはや打つ手がない状況です。
トランプ氏は、FRBに対し大幅な金利引き下げを強く要求しており、これが実現すれば資産バブルがさらに暴走し、国民の不満や世代間格差(住宅価格高騰、学生ローン問題など)を増大させると警鐘を鳴らしています。
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