項目 | お寺 | 神社 |
---|---|---|
信仰対象 | 仏教(仏陀、菩薩など) | 神道(八百万の神々、祖霊など) |
ご本尊/御神体 | 仏像、仏画、曼荼羅など | 御神体(鏡、剣、勾玉など。通常は非公開) |
建物の特徴 | 山門、本堂、五重塔、三重塔、鐘楼など | 鳥居、拝殿、本殿、狛犬など |
参拝方法 | 合掌、焼香、鐘を撞かない | 二拝二拍手一拝(神社によって異なる場合あり) |
お供え物 | 線香、花、果物、菓子など | 酒、米、塩、水、魚、野菜、果物など |
行事 | 法要、彼岸会、盂蘭盆会、永代供養など | 祭り、初詣、七五三、地鎮祭など |
聖職者 | 僧侶、住職 | 神主、宮司 |
御朱印 | ご本尊の名前 | 神社の名前 |
お守り | 仏様への祈りが形になったもの | 祀られている神様の力が宿っている |
英語 | temple | shrine |
その他 | 墓地があることが多い | 鳥居があるのが特徴 |
宗教が違う
お寺と神社は、どちらも古来から日本で親しまれてきた宗教施設ですが一番の違いは宗教です。
お寺はインドや中国から伝来した「仏教」、神社は日本発祥の「神道(しんとう)」と異なります。
仏教は、釈迦を開祖とする宗教でキリスト教、イスラム教と並ぶ世界三大宗教のひとつです。
日本に伝来したのは飛鳥時代とされ、崇拝対象は仏様ですからお寺には仏像や曼荼羅などがあり、間近で参拝することができます!
一方で神道には、教祖や教典などがありません。あらゆるものに神が宿るという考えから、人物、動物、植物、山や川など、様々なものが崇拝対象です。
柔和な国民性も八百万の神々で神様どうし喧嘩しない日本独特な宗教観からきているのではないかと思われます。
ご本尊/御神体
神社の御神体
神社では、神様の御霊が宿るとされるものを御神体として祀ります。鏡や剣、勾玉といった物品であることもあれば、山や岩、滝などの自然物そのものである場合もあります。いずれの場合も、神聖なものとして扱われ、通常は人の目に触れることはありません。神社の奥深くに安置され、厳重に保管されています。
御神体は、神様の力が宿る依り代であり、神様そのものではありません。神様は本来目に見えない存在であり、御神体を通して神様と繋がることで、人々は加護やご利益を授かると考えられています。そのため、御神体を直接見ることは、神聖な領域への冒涜と捉えられる場合があり、禁止されていることが多いです。
お寺のご本尊
一方、お寺では、信仰の対象となる仏像や曼荼羅などを「ご本尊」として本堂に安置します。ご本尊は、仏様の教えを視覚的に表現したものであり、人々が手を合わせ、祈りを捧げる対象となります。神社の御神体とは異なり、ご本尊は多くの場合、人々の目に触れる場所に安置されています。
ご本尊は、仏教の開祖である釈迦如来や、様々な菩薩、明王など、宗派や寺院によって異なります。ご本尊を拝むことで、人々は仏様の教えを身近に感じ、功徳を積むことができるとされています。また、寺院によっては、特定の日にご本尊を特別に公開する「御開帳」という行事を行う場合もあります。
御神体とご本尊の共通点と相違点
御神体とご本尊は、どちらも信仰の対象として大切に扱われますが、その存在意義や役割には違いがあります。御神体は神様の力が宿る依り代であり、ご本尊は仏様の教えを視覚的に表現したものです。また、御神体は通常非公開であるのに対し、ご本尊は多くの場合、人々の目に触れる場所に安置されています。
このように、御神体とご本尊には異なる点も多いですが、どちらも人々の信仰心を支える重要な役割を果たしているという点で共通しています。
建築様式が違う!
起源の異なるお寺と神社はその建築様式にも大きな違いがあります。
まずお寺の入り口には門か塔があり、神社には鳥居があります。
神社の建物の特徴
- 鳥居: 神域と俗世を分ける結界の門。木材や石材で作られ、形も様々です。
- 拝殿: 参拝者が拝礼する建物。
- 本殿: 神霊が宿る最も神聖な場所。拝殿の奥に位置し、一般の人は入れません。
- 狛犬: 魔除けとして置かれる一対の像。獅子や犬に似た姿をしています。
- 灯籠: 境内を照らす照明。石や金属で作られています。
- 手水舎: 参拝前に手と口を清める場所。
- 社務所: お守りやお札を授与する場所。神職の執務室でもあります。
- その他: 絵馬掛け、境内社など
お寺の建物の特徴
- 山門: 寺院の入り口となる門。寺院の格式を表す重要な建物です。
- 本堂: ご本尊が安置され、僧侶が読経を行う中心的な建物。
- 仏塔(五重塔、三重塔など): 仏舎利(仏の遺骨)を納める塔。
- 鐘楼: 梵鐘をつるしてある建物。朝夕に鐘を鳴らします。
- 庫裏: 僧侶の居住空間や台所などがある建物。
- その他: 回廊、講堂、僧坊など
神社と寺院の建築様式の違い
- 屋根: 神社の屋根は、檜皮葺(ひわだぶき)や茅葺(かやぶき)など、自然素材が使われることが多いです。一方、お寺の屋根は瓦葺が一般的です。
- 装飾: 神社は簡素な造りであることが多いのに対し、お寺は彫刻や彩色など装飾が豊かな傾向があります。
- 材質: 神社では木材が多く使われ、自然との調和が重視されています。お寺も木材を使用しますが、瓦や石材なども用いられています。
参拝方法が違う
参拝方法も勿論異なります。
お寺
- 山門の前で一礼
- 門の敷居を踏まないように中へ入り、参道を歩く
- 手水舎で手と口を清める
- 本堂へ向かう
- お賽銭を入れる
- 静かに手を合わせ、お参りをする
- 終わったらその場でお辞儀
- 山門を出る前に本堂へ向かって一礼
- 門の敷居を踏まないよう外へ出る
神社
- 鳥居の前で一礼
- 中へ入り、参道は左右どちらかの端を歩く(真ん中は神様が通ると言われているため避ける)
- 手水舎で手と口を清める
- 拝殿へ向かう
- お賽銭を入れる
- 鈴を鳴らす
- 二回お辞儀をし、二回拍手をする(二礼四拍手一礼の神社もあります)
- 静かに手を合わせ、お参りをする
- もう一度、一回だけお辞儀をする
- 鳥居を出る前に、拝殿に向かって一礼
参考

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