都会の喧騒を忘れさせる静謐な禅寺、龍雲寺。春には桜がライトアップされ幻想的な夜を演出し、夏には地域一体となる盆踊りで賑わいます。坐禅会や法話会も定期的に開かれ、静かに自分と向き合う時間を過ごせます。江戸時代の高僧・白隠禅師の禅画も拝観でき、心洗われるひとときを約束してくれます。地域に開かれ、訪れる人々の心に寄り添う、温かさに満ちたお寺です。
ご本尊
(御本堂)聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)
龍雲寺のご本尊は盤珪永琢(ばんけいようたく)国師の作と伝わる「聖観世音菩薩」とされています。「観世音」とは「世の音を観る」と書き、人々の苦しみや願いの声を観じ取り、救いの手を差し伸べてくださる慈悲深い仏様です。
ご真言
オン・アロリキヤ・ソワカ
(おん・あろりきゃ・そわか)
これは聖観世音菩薩の一般的なご真言です。龍雲寺で公式に案内されているものではありませんが、ご本尊に心の中で唱えることで、より深いご縁を結ぶことができるでしょう。
ご本尊以外に安置されている像
境内には稲荷社と、三峯神社・榛名神社の合祀社が鎮座しており、神仏習合の時代の名残を感じることができます。
開山・開基
- 開山:節外祖貞(せつがいそてい)禅師
- 創建:霊源祖蔭(れいげんそいん)和尚
山号・宗旨・宗派
- 山号:大澤山(だいたくさん)
- 宗旨・宗派:臨済宗妙心寺派
属性
水属性
龍雲寺の属性を判断するにあたり、以下の3つの要素を総合的に考察しました。
- 名称・山号の由来:最も決定的な要素は、その名前に込められた願いです。ご由緒にある通り、水不足に苦しんだこの地に水の恵みをもたらすべく、水の神である「龍」と雨を呼ぶ「雲」を寺号とし、広大な沢を意味する「大澤」を山号としました。「水」を渇望し、祈りを込めたその成り立ちは、この寺が強力な「水」のエネルギーを持つことを示しています。
- ご本尊:ご本尊の聖観世音菩薩は、人々の苦しみの声を聞き届け、あらゆる姿に変化して救済する仏様です。その柔軟性や浄化、癒やしといったご神徳は「水」の属性(浄化力、調整力、柔軟性)と非常に親和性が高いと言えます。
- 立地:世田谷区野沢の武蔵野台地上の穏やかな土地にあり、立地そのものは「地」の属性も持ち合わせていると考えられます。
以上の点から、龍雲寺は立地の持つ穏やかな「地」の性質を基盤としながらも、その創建の由緒とご本尊の性質から、「水」の属性を最も強く持つお寺であると判断しました。心の渇きを癒し、淀みを洗い流してくださる浄化の力をいただける場所と言えるでしょう。
歴史
- 元禄12年(1699年):盤珪国師の高弟である節外和尚が、廃寺となっていた智見寺を引き継ぐ形で創建。
- 安政2年(1855年):安政の大地震により大きな被害を受け、寺運が衰微。多くの古文書もこの時に失われました。
- 昭和初期:約2,000坪の土地を確保し、復興が本格化。
- 昭和40年(1965年):本堂をはじめとする諸堂が完成し、現在の姿となりました。
ご由緒
龍雲寺が創建された当時、この地域は水不足に悩まされていました。そのため、広大な沢を意味する「大澤」を山号とし、水の神である「龍」と雨を呼ぶ「雲」を寺号にいただくことで、水の恵みを願い、地域の安寧を祈ったと伝えられています。その名の通り、龍雲寺は地域の潤いと心の安らぎの拠り所として、深く信仰されてきました。
ご利益
ご本尊である聖観世音菩薩の広大無辺な慈悲により、以下のようなご利益がいただけるとされています。
- 諸願成就
- 厄除開運
- 家内安全
- 心の平安
境内の見どころ
- 本堂:昭和40年に再建された、禅寺らしい落ち着いた佇まいの本堂です。
- 白隠禅画:江戸時代中期の臨済宗の僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師による禅画が展示されています。ユーモラスでありながら、禅の深い教えが込められています。
- 春の桜:境内には多くの桜が植えられており、春には「桜の燈明」と題したライトアップが行われ、幻想的な夜桜を楽しむことができます。
- 境内社:稲荷社と、埼玉の三峯神社、群馬の榛名神社の分霊を祀る合祀社があり、多様な信仰を受け入れてきた歴史を今に伝えています。
アクセス
| ご本尊 | 観世音菩薩 |
| 山号 | 大澤山 |
| 宗旨・宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
| 創建時代 | 1699年(元禄12年) |
| 開山・開基 | 節外祖貞禅師 |
| 名称 | 龍雲寺 |
| 読み方 | りゅううんじ |
| 通称 | 野沢龍雲寺 |
| 参拝時間 | 開門時間 午前6時より午後7時まで |
| 参拝にかかる時間 | 約10分 |
| 御朱印 | あり 本堂右手の寺務所にていただけます。志納金は決まっておらず、お気持ちをお賽銭箱に納める形となっています。法務などで書き手が不在の場合は、書き置きでの対応となります。 |
| 御朱印帳に直書き | あり |
| 電話番号 | 03-3421-0238 |
| ホームページ | https://ryuun-ji.or.jp/ |
| 住所 | 東京都世田谷区野沢3-38-1 |
| 最寄り駅 | 東急東横線「学芸大学駅」 徒歩約15分 東急田園都市線「駒沢大学駅」 徒歩約15分 東急バス「野沢龍雲寺」バス停下車 徒歩約1分(渋谷駅、目黒駅などから発着) |
近くの神社仏閣
- 世田谷山 観音寺(約590m)
- 宗円寺(約730m)
- 伊勢丸稲荷大神(約890m)
- 西澄寺(約910m)
- 駒繋神社(約960m)
- 厳島神社(下馬)(約1.2km)
近くの食事処
- ラ・ベットラ・ダ・オチアイ (イタリアン)
- トネリ (イタリアン)
- かっぱ (寿司)
- 焼肉しみず (焼肉)
- ボネダンヌ (パン)
参考




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