新宿の高層ビル群に囲まれた静謐な空間で、歴史的遺産と現代的な伽藍(祖師堂は8階建てビル)が融合しています。学問祈願や桜の名所としても人気で、御朱印は日蓮宗の特色を体感できる貴重な証としておすすめです。
✅ 参拝者の体験談:若い修行僧が丁寧に直書き。暑い日は冷たい麦茶を振る舞われることも。
ご本尊
常圓寺のご本尊は、南無妙法蓮華経の題目宝塔、釈迦・多宝の二仏坐像です。これらは、水戸黄門として知られる徳川光圀公が寄進したと伝えられています。
山号・宗旨・宗派
- 山号: 福聚山(ふくじゅざん)
- 宗旨・宗派: 日蓮宗(にちれんしゅう)
- 旧本山: 平賀本土寺
歴史とご由緒
- 創建:
創建年は不詳ですが、天正13年(1585年)に中道院日立上人により、渋谷区幡ヶ谷から現在地(新宿区西新宿)へ移転されました。幡ヶ谷での180年の歴史を含めると、600年以上の歴史を有します。 - 戦災と復興:
昭和20年(1945年)の空襲で伽藍の大半を焼失しましたが、檀家や信者の支援により昭和27年(1952年)に書院と中門を移築。昭和41年(1966年)に本堂、平成4年(1992年)に祖師堂を再建し、往時の姿を取り戻しました。 - 宗派と山号:
日蓮宗の寺院で、山号は「福聚山」。法華経の「福聚海無量」(福徳が海のように広大)に由来し、学問と福徳を象徴します。 - 文化的役割:
江戸時代には日蓮宗の最高学府「中村檀林」の学長(能化)を輩出。現代でも日蓮仏教研究所を設置し、教学研究や国際交流(米国サンノゼに別院)を推進しています。
伝説と文化財
- 徳川家ゆかりの宝物:
- 三宝諸尊:水戸黄門こと徳川光圀が寄進したと伝わる本尊(釈迦・多宝の二仏坐像)。
- 感應胎蔵の祖師像:11代将軍・徳川家斉の守護仏。家斉の姿を模した像の内部に日蓮聖人像が納められており、「胎蔵」として信仰を集めます。
- 史跡と碑文:
- 便々館湖鯉鮒狂歌碑:1819年建立の新宿区指定史跡。狂歌師・湖鯉鮒の歌を大田南畝(蜀山人)が筆記した碑で、「三度たく 米さへこわし 柔らかし 思ふまヽには ならぬ世の中」と刻まれています。
- 筒井政憲の墓:日露和親条約に関わった江戸南町奉行の墓(新宿区指定史跡)。
- 地名の由来:
門前で商いをしていた田中源左衛門が軒先に「鳴子」を掲げたため、一帯が「成子坂」と呼ばれるようになったという伝承があります。
ご利益と祈願
- 本尊:三宝諸尊(法華経の根本仏)。
- 主なご利益:
日蓮宗の特徴である「題目信仰」を基盤とし、以下の祈願を受け付けています: - 学業成就(教学重視の寺風に由来)
- 家内安全・身体健全・交通安全
- 良縁成就・子宝成就・安産成就
- 商売繁盛・心願成就
- 祈祷の方法:
祖師堂の御宝前で僧侶と共に祈願。事前予約(電話)が必要で、祈願料は1万円~(木札付き)。
境内の見どころ
- 江戸百本桜「大枝垂桜」:
小石川・伝通院、広尾・光林寺の桜と並び「江戸三木」と呼ばれた名桜。春にはライトアップされ、夜桜鑑賞も可能。 - 淀橋七地蔵:
昭和初期に無縁仏となった7人の子供を供養するため建立。東京一の石工・青山石勝の作。 - 著名人の墓所:
- 辰野金吾:
東京駅の設計者(佐賀県出身)。
墓は境内北側。 - 伏屋美濃:
明治天皇の乳母で、昭和天皇も抱いたとされる女性。
- 辰野金吾:
アクセス
ご本尊 | 三宝諸尊(徳川光圀(水戸黄門)公寄進伝) |
山号 | 福聚山 |
宗旨・宗派 | 日蓮宗 |
創建時代 | 不明・天正13年(1585年)9月13日 現在地に移転 |
開山・開基 | 不明・中道院日立上人(移転) |
名称 | 常圓寺 |
読み方 | じょうえんじ |
通称 | 福聚山常圓寺 |
寺務所 | 8:30~17:30 本堂脇 |
参拝にかかる時間 | 15分 |
御朱印 | あり |
電話番号 | 03-3371-1797 |
ホームページ | https://joenji.jp/ |
住所 | 東京都新宿区西新宿7-12-5 |
最寄り駅 | ◼︎都営大江戸線 新宿西口駅 徒歩約5分 ◼︎東京メトロ丸ノ内線 西新宿駅 徒歩約8分 ◼︎小田急小田原線 新宿駅 徒歩約8分 ◼︎東京メトロ丸ノ内線 新宿駅 徒歩約9分 |
近くの神社仏閣
- 花園神社(はなぞのじんじゃ): 新宿の総鎮守として知られる歴史ある神社。
- 稲荷鬼王神社(いなりきおうじんじゃ): 全国で唯一「鬼の王」を祀る珍しい神社。
- 西向天神社(にしむきてんじんしゃ): 社殿が西向きという珍しい天満宮。
- 太宗寺(たいそうじ): 新宿区新宿にある浄土宗の寺院で、江戸六地蔵の一つがあります。
- 成子天神社(なるこてんじんしゃ): 新宿区西新宿に位置する天満宮。
参考

常圓寺公式サイト
JR新宿駅より徒歩6分。宗派を問わず、どなたでもご利用頂ける合祀墓もございます。ご供養や御朱印などお気軽にお越しください。
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