アフターのお誘いは、お客様からの好意の表れであり、本来はとてもありがたいものです。だからこそ、お断りする際には相手の気分を害さず、次も「また会いたい」と思ってもらえるような伝え方が求められます。
ここでは「感謝」と「誠実さ」を基本姿勢としつつ、状況に応じたスマートな断り方を解説します。
ケース1:一般的なお客様(また来てほしい)への断り方
良好な関係を築けているお客様や、今後も大切にしたいお客様からのお誘いを断る際の基本戦術は「感謝+残念な気持ち+次への期待」をセットで伝えることです。
会話例
- 王道パターン:「次の約束」で期待感を持たせる「えー、すっごく嬉しい!ありがとうございます!
ただ、本当にごめんなさい…!明日、朝から大事な用事があって、今日はもう帰らなきゃいけないんです。
もしよかったら、今度はお店の外で会えるように同伴出勤させてもらえませんか? その日なら、お店終わった後も少しだけなら付き合えるかも!」 - 家庭的な理由で納得してもらうパターン「わー、嬉しい!〇〇さんとお店の外で会えるなんて最高です!
ただ、本当に申し訳ないんですけど、今日、実家から母親が泊まりに来てて、早く帰って顔を見せないと心配させちゃうんです。
せっかく誘ってくれたのに本当にごめんなさい…。 次、〇〇さんが来てくれる日、前もって教えてくれたら、その日は絶対に予定空けておきます!」 - 体調を理由にするパターン「嬉しい〜!ありがとうございます!
…ただ、ごめんなさい。今日ちょっと女の子の日(生理)が重くて、お薬飲んでなんとか頑張ってたんです。
このままお店の外に出ても、たぶん〇〇さんに気を遣わせちゃうだけだから…。万全の体調のときに、また誘ってもらえたら全力で楽しみます!」
《ポイント》
- 誘われたことへの感謝を最初に全力で示す。
- 断る理由は具体的で、相手が「それなら仕方ない」と思えるものを選ぶ。(例:「用事がある」より「明日の朝早い」)
- 必ず「残念な気持ち」「本当は行きたい」というニュアンスを伝える。
- 「同伴」や「次回の約束」など、代替案を提示することで、関係が途切れるのを防ぐ。
ケース2:お金を使わない&強引なお客様への断り方
このタイプのお客様には、曖昧な態度は禁物です。期待を持たせると余計にしつこくなる可能性があるため、「お店のルール」を盾にして、個人的な感情ではなくシステム上の問題として、きっぱりと、しかし冷静に断るのが効果的です。
会話例
- お店のルールを徹底的に使うパターン「お誘いありがとうございます。でも、本当に申し訳ありません。
うちのお店、店外での交流は基本的に同伴じゃないと許可されていなくて…。 マネージャーにもすごく厳しく言われているんです。
私のせいで〇〇さんがお店から注意されたりしたら、申し訳ないので…。本当にごめんなさい。」 - 「指名」を理由に、次回の投資を促すパターン「嬉しいです、ありがとうございます。
ただ、アフターって、いつもたくさん指名して応援してくださるお客様への感謝の気持ちなので…。〇〇さんのこともっと知りたいので、今度はお店でたくさんお話できたら嬉しいです!」 - 最終手段:毅然とした態度で断る(何を言っても引き下がらない場合)「何度も誘ってくださるのは嬉しいのですが、お店のルールなので、今日は行けません。 これ以上は、私もお店に報告しないといけなくなってしまいます。申し訳ありません。」
《ポイント》
- 個人的な感情(あなただから行かない)ではなく、店のルール(誰であっても行けない)というスタンスを貫く。
- 「ごめんね」ではなく「申し訳ありません」と、少しビジネスライクな言葉を選ぶと効果的。
- 同情したり、曖昧に笑ってごまかしたりしない。期待させる隙を見せないことが重要。
ケース3:生理的に無理なお客様への断り方
この場合は、相手に絶対に悟られないように、かつ相手がそれ以上踏み込めない個人的な事情を理由にするのが鉄則です。嘘も方便と割り切り、確実に行けない状況を作り出しましょう。
会話例
- 家族やペットを理由にする(鉄壁の断り文句)「すごく嬉しいです!ありがとうございます!
でも、本当にごめんなさい!今、ペットの調子が悪くて、薬をあげる時間なんです。私が帰らないと誰も見てあげられなくて…。」「(少し悲しそうに)今日、祖母の体調が良くなくて…。 万が一何かあったときのために、すぐ連絡が取れるようにしておきたくて。本当にごめんなさい。」 - 詳細を濁した「先約」を理由にする「ありがとうございます!ただ、大変申し訳ないのですが、今日はお店の前から約束している友達がいて…。 どうしても外せない用事なんです。せっかく声をかけてくださったのに、本当にごめんなさい。」
- 住まいを理由にするパターン「嬉しいです!ただ私、ここから家がすごく遠くて、送りがもうすぐなんです…。これを逃すと、始発まで帰れなくなっちゃうんです。本当に申し訳ないです…。」
《ポイント》
- 相手が反論したり、深掘りしにくいプライベートな理由(特に家族やペットの体調)は非常に有効。
- 少し申し訳なさそうに、残念そうな表情で伝えるのがコツ。
- 「また今度」など、期待を持たせる言葉は使わず、「ごめんなさい」「申し訳ない」で会話を締めくくる。
◆ 断るときのNG言動
- 「お金がないから」:お客様を不快にさせる最悪の断り方です。
- 「他のお客様と約束が…」:お客様同士を比較するのは絶対にNGです。
- あからさまに嫌な顔をする:プロとして失格です。どんな相手にも笑顔と感謝で接するのが基本です。


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