お宝「居抜き物件」を99%見つけるプロの技

良い居抜き物件は「宝探し」に似ています。ただ待っているだけでは見つからず、戦略的な情報収集と迅速な行動が成功の鍵を握ります。以下にその方法を3つのレベルに分けてご紹介します。

レベル1：【王道】専門サイトで網羅的に探す

まずは基本となるオンラインでの情報収集です。ここで市場の相場観を養い、比較検討の土台を作ります。

以下のサイトは情報量が多く、毎日チェックするのが基本です。新着物件を逃さないよう、希望エリアや業態で「アラート機能」を設定しましょう。

SUUMOやHOME’Sなどの一般的な不動産サイトにも、数は少ないですが「居抜き」物件が掲載されることがあります。専門サイトと合わせて巡回すると、掘り出し物が見つかる可能性があります。

本当に良い条件の物件は、Webサイトに掲載される前に買い手が見つかる「水面下物件（未公開物件）」であることが少なくありません。プロは以下の方法でこうした情報を掴んでいます。

方法: 開業したいエリアの駅前などにある、店舗仲介に強そうな不動産会社（ガラスに店舗物件のチラシが多く貼ってある会社など）に直接訪問し、「〇〇（業態）で開業したく、〇〇坪くらいの居抜き物件を探している」と具体的に伝え、名刺を渡して関係を築きます。
効果: 地域の大家さんとの繋がりが深い不動産会社は、これから空く予定の店舗情報をいち早くキャッチしています。あなたの熱意が伝われば、情報が公開される前に優先的に紹介してくれる可能性があります。

方法: 開業したいエリアを定期的に歩き、自分の目で物件の状況を確認します。
チェックポイント:
- 「貸店舗」の貼り紙: 物件の窓に直接貼られている場合、Webに未掲載のことがあります。管理会社にすぐ連絡しましょう。
- 閉店の兆候: 臨時休業が続いていたり、シャッターがずっと閉まっていたり、店内に機材が残ったまま放置されている店舗は、近々居抜き物件として市場に出る可能性があります。
- 周辺環境の確認: 実際に歩くことで、人通りの多さ、客層、競合店の状況など、データだけではわからないリアルな情報を肌で感じることができます。

方法: 飲食店に関わる様々な業者と繋がりを持ち、「良い物件が出たら教えてほしい」と声をかけておきます。
情報源となるキーマン:
- 業務用酒販店・食材卸業者: 多くの飲食店の経営状況を把握しており、「あの店がそろそろ危ない」といった内部情報を持っていることがあります。
- 厨房機器業者・内装工事業者: 店舗の改装や設備の修理依頼を通じて、閉店や移転の情報をいち早く掴んでいる場合があります。
- 地域の同業者・商店街の組合: 地域の飲食店経営者との繋がりは、貴重な情報源になります。

最も効果的なのは、オンラインとオフラインの方法を組み合わせ、多角的にアプローチすることです。Webで相場観を養いながら、足と人脈で未公開の「お宝物件」を探し当てる。この両輪で動くことが、成功の確率を飛躍的に高めます。

スピードが命: 優良な居抜き物件は、情報が出てから数日で申し込みが入ることもザラです。すぐに内見に行き、決断できる準備（事業計画、資金計画）を常に整えておきましょう。
「譲れない条件」を明確にする: ハンバーガー屋であれば「強力な排気ダクト」「グリドル（鉄板）の有無、または設置スペース」「動力電源（三相200V）」など、必須の設備条件をリストアップし、効率的に物件を絞り込みましょう。
前の業態に固執しすぎない: 例えば「焼き鳥屋」の物件はグリドルが無くても、強力な排気設備は魅力です。追加の設備投資額と、物件の家賃や立地などの好条件を天秤にかけ、総合的に判断する柔軟な視点が重要です。