早稲田大学の学閥「稲門閥」は、就活で強力な武器になる。特にメディア、金融、総合商社では絶大な影響力を持ち、多くの卒業生が活躍。卒業生組織「稲門会」を通じたOB・OG訪問は、リアルな情報を得る絶好の機会だ。ただし、近年は個人の能力が重視されるため、学閥は入社後の人脈形成に役立つ「アドバンテージ」と捉え、賢く活用しよう。
早稲田大学の学閥が強いとされる企業リスト
1. メディア・出版業界
早稲田大学が伝統的に最も強いと言われる業界です。「ジャーナリズムの早稲田」の異名を持つ政治経済学部をはじめ、多くの人材を輩出してきました。
- テレビ局: 日本放送協会(NHK)、日本テレビ、テレビ朝日、フジテレビなど
- 新聞社: 日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞社など
- 出版社: 講談社、集英社、KADOKAWAなど
- 広告代理店: 電通、博報堂
2. 金融業界(特にメガバンク・証券)
慶應義塾大学と並び、金融業界にも非常に多くの卒業生がいます。採用人数が多く、体育会のつながりなども含めて強固なネットワークが形成されています。
- メガバンク: 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ
- 証券会社: 大和証券グループ、野村證券、SMBC日興証券
- 生命保険・損害保険: 東京海上日動火災保険、日本生命保険、明治安田生命保険
3. 大手総合商社
こちらも慶應義塾大学と共にトップクラスの採用実績を誇ります。グローバルな舞台で活躍するOB・OGが多く、強い影響力を持っています。
- 五大商社: 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅
4. IT・コンサルティング業界
近年の人気業界であり、早稲田大学からの就職者数が非常に多い企業群です。OB・OG訪問も活発で、若手社員のつながりが強い傾向にあります。
- コンサルティングファーム: アクセンチュア、ベイカレント・コンサルティング、野村総合研究所
- IT企業: 富士通、NTTデータ、楽天グループ、日本IBM
5. 大手メーカー・建設業界
理工学部系の卒業生を中心に、技術職・総合職ともに多くの人材を輩出しています。
- 総合電機: 日立製作所、三菱電機、東芝
- 自動車: 本田技研工業(ホンダ)
- スーパーゼネコン: 清水建設
業界・企業まとめ
業界 | 企業名 | 備考 |
---|---|---|
コンサルティング | アクセンチュア、野村総合研究所(NRI)、デロイト トーマツ コンサルティング | 早稲田大学はコンサルティング業界への就職が非常に強く、アクセンチュアは2024年度の就職先ランキングで1位となっています。 |
金融 | 三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ、東京海上日動火災保険 | メガバンクや損害保険会社など、金融業界にも多くの卒業生を送り込んでいます。 |
IT・通信 | NTTデータ、富士通、楽天グループ | NTTデータは2023年度の就職先ランキングで1位、2024年度でもトップクラスです。楽天グループも近年人気の就職先です。 |
メーカー | テルモ株式会社、ライオン株式会社 | 医療機器や消費財など、様々なメーカーに卒業生が進出しています。 |
広告・マスコミ | 電通、博報堂、日本放送協会(NHK) | 特に出版社には“御曹司系”が早稲田に進学することも多いとされ、マスコミ関係でも卒業生が活躍しています。NHKも人気の就職先です。 |
商社 | 三井物産、伊藤忠商事 | 総合商社にも卒業生が多く在籍しています。 |
官公庁 | 国家公務員一般職、東京都職員 | 公務員として就職する学生も多く、2022年には国家公務員一般職が就職先ランキングの3位となりました。 |
学閥と就職活動
学閥は、同じ学校の出身者によって形成されるネットワークです。これは、採用時のリスク回避(自分がよく知る大学の学生の方が採用側として安心)や、同窓会組織を通じた自然な繋がりなどが背景にあります。
特に早稲田大学には「稲門会」と呼ばれる卒業生組織があり、就職活動においてOB/OG訪問の機会を得やすいなど、強いネットワークが存在します。
もっとも、最近は学歴ではなく個人の能力を重視する傾向が強まっており、学閥の影響は昔ほど強くないとも言われます。例えば、公務員採用では学歴を書かせない措置をとる場合も増えています。
早稲田大学の学閥の特徴
早稲田大学の学閥(稲門閥)は、慶應義塾大学の三田閥などと比較すると、「結束」というよりは「幅広いネットワーク」 という特徴が指摘されることがあります。卒業生の数も多く(約5万3000人)、様々な業種や地方企業にまで人脈が広がっているのが強みです。
- 「組織の早稲田」: 慶應の「個」に対して、早稲田は「組織力」や「人のつながり」を重視する傾向があると言われます。面倒見の良いOB・OGが多いとも言われています。
- 人数の多さ: 日本で最も社長を輩出している大学であり、卒業生の数が非常に多いため、結果としてあらゆる業界にOB・OGが存在します。
- 「在野の精神」: 大学の理念である「在野の精神」から、ベンチャー企業や新しい分野で活躍する起業家も多いのが特徴です。(例:メルカリの山田進太郎氏、ファーストリテイリングの柳井正氏など)
就職活動で学閥をどう捉えるか
学閥やOB/OGネットワークは、業界や企業についての生の情報を収集する手段(OB/OG訪問など)としては非常に有効です。ただし、それはあくまで出発点。実際の選考では、そのネットワークに依存するのではなく、自身の能力や人物が評価されて内定を得るということを忘れないようにしましょう。
ただし、近年は学閥を意識した採用は減少傾向にあり、あくまで個人の能力が重視される時代です。学閥は、入社後の人脈形成や情報収集のしやすさといった「アドバンテージ」程度に捉えるのが良いでしょう。
より深く知りたい方へ
- より詳細な企業リストや最新の就職動向を知りたい場合は、早稲田大学のキャリアセンターや稲門会の公式情報を確認することをお勧めします。
- 早稲田大学 大学院経営管理研究科のキャリアサポートページ では、修了生の進路が公開されている場合があります。
学閥は一つの側面に過ぎません。ご自身の興味、能力、価値観に合った進路選択をされることが何より重要です。
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