法乗院(深川えんま堂)

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日本最大級の閻魔大王坐像が鎮座する「深川ゑんま堂」。賽銭を入れ願い事を選ぶと、堂内が暗転し、閻魔様の有難い説法が始まる「からくりおみくじ」は必見です。そのお姿は恐ろしくも、人々の心の迷いを断ち、善の道へと導く慈愛に満ちています。地獄・極楽の様子を描いた絵画や、生まれ年の干支守り本尊など、見どころも満載。自分自身と向き合う、唯一無二の体験があなたを待っています。

ご本尊

  • 大日如来

法乗院の御本堂には、宇宙の真理そのものを表す大日如来様が御本尊としてお祀りされています。静かな本堂で、心穏やかに手を合わせてみてはいかがでしょうか。

また、ゑんま堂に安置されている閻魔大王(えんまだいおう)様は「深川のゑんま様」として広く信仰を集めています。そのお姿は日本最大級を誇り、訪れる人々に大きな感銘を与えています。

ご真言

大日如来(金剛界)

「オン・バザラ・ダト・バン」 (おん・ばざら・だと・ばん)

属性

法乗院の属性を判断するにあたり、複数の要素を考慮しました。

  1. 御本尊・安置仏: 御本尊は大日如来です。密教において大日如来は宇宙の中心であり、五大思想と深く結びつきます。 また、ゑんま堂には閻魔大王が祀られています。閻魔様は地獄の王であり、地獄の業火を操るイメージから「火」の属性と強く結びつきます。さらに、法乗院は真言宗豊山派に属し、真言密教では五大明王が信仰されますが、その中心は不動明王です。不動明王は火炎を背負う姿から明らかなように、「火」を象徴する仏様です。 これらのことから、仏教的な側面では「火」の要素が非常に強いと考えられます。
  2. 立地: 門前仲町を含む深川エリアは、江戸時代に埋め立てられてできた土地です。元が海や川であったことから「水」の属性も考えられます。しかし、寺院の属性を決定づけるほどの強い要素とは言えません。
  3. 信仰: 「江戸三えんま」の一つとして、人々の罪を裁き、厄災を断ち切るという信仰は、不浄を焼き尽くす「火」の浄化作用と通じます。情熱や行動力といった「火」のエネルギーが、悪縁を断ち切り新たな一歩を踏み出す力になると解釈できます。

ご真言

大日如来(金剛界)

「オン・バザラ・ダト・バン」 (おん・ばざら・だと・ばん)

ご本尊以外に安置されている像

  • 干支守り本尊: ゑんま堂の脇に、十二支それぞれの守り本尊が安置されており、ご自身の生まれ年の仏様にお参りすることができます。
  • 司録・司命尊(しろく・しみょうそん): 閻魔大王の脇侍で、人間の善悪の行いを記録する書記官です。
  • 奪衣婆・懸衣翁(だつえば・けんえおう): 三途の川の渡し賃を持たない亡者の衣服を剥ぎ取るとされ、その恐ろしい姿が表されています。
  • おびんずる様: 撫でた場所の病が癒えるとされる、病気平癒の仏様です。
  • 不動明王: 本堂に安置されています。
  • 閻魔大王坐像: 全高3.5m、全幅4.5m、重量1.5tにも及ぶ日本最大の閻魔大王坐像です。

開山・開基

  • 開山: 覚誉僧正(かくよそうじょう)
  • 開基: 不明

山号・宗旨・宗派

  • 山号: 賢臺山(けんだいさん)
  • 宗旨・宗派: 真言宗豊山派

歴史

  • 寛永6年(1629年): 覚誉僧正により開山。当初は現在の江東区平野にありました。
  • 寛永18年(1641年): 現在地へと移転しました。
  • 江戸時代: 庶民の信仰を集め、特に江戸の地誌『江戸名所図会』にも描かれるほどの名所でした。
  • 平成元年(1989年): 現在のゑんま堂が建立され、日本最大級の閻魔大王坐像が安置されました。

ご由緒

江戸時代初期の寛永6年(1629年)に創建された古刹です。創建当初より、人々に仏の教え、特に因果応報の理を説く場として、閻魔大王を篤く信仰してきました。恐ろしい姿の閻魔様は、単に罪を裁くだけでなく、「嘘をついてはいけない」「善い行いをしなさい」という人間としての根源的な教えを、私たちに示してくださる存在。その教えを現代に伝えるため、平成の世に現在のゑんま堂が再興され、多くの人々が自分自身と向き合うための道場として親しまれています。

伝説

法乗院の閻魔様は、古くから「咳止め」にご利益があると伝えられています。その昔、ある老婆が孫の百日咳に苦しみ、法乗院の閻魔様に願掛けをしたところ、夢枕に閻魔様が現れ、「私の喉を全快させた暁には、お前の孫の咳を治してやろう」と告げました。老婆が目を覚ますと、閻魔様の喉にはコンニャクが詰まっていました。それを取り除いて差し上げると、孫の咳はたちまち治ったといいます。この伝説から、今でも願掛けや願解きにはコンニャクを奉納する風習が残っています。

ご利益

閻魔様の裁きは、悪しき行いを正し、善き道へと導くもの。自分自身を見つめ直すことで、結果として様々なご利益をいただけるとされています。

  • 諸願成就
  • 病気平癒(特に喉、咳止め)
  • 開運招福
  • 学業成就
  • 悪縁切り・良縁結び
  • ぼけ封じ

境内の見どころ

  • からくりゑんま説法: この寺院の最大の見どころ。賽銭箱に賽銭を入れ、19種類ある願い事の中から自分の願い事を選ぶと、堂内が荘厳な音楽と共に暗転。閻魔大王像が動き出し、光と音響の中で有難い説法が始まります。その迫力と内容は、心に深く刻まれることでしょう。
  • 地獄極楽図: ゑんま堂の壁面には、地獄で責め苦を受ける罪人たちの様子や、極楽浄土の穏やかな世界が描かれた大きな絵画が掲げられています。善行を積むことの大切さを視覚的に教えてくれます。
  • 賽の河原: ゑんま堂の地下には、親より先に亡くなった子供が行くとされる賽の河原が再現されており、水子供養の場となっています。
  • 干支守り本尊: ゑんま堂の回廊には、ずらりと並んだ十二支の守り本尊が安置されています。ご自身の干支の仏様を探し、手を合わせてみてはいかがでしょうか。

参拝の注意点

  • ゑんま堂内での写真撮影は可能ですが、説法が始まった際は、他の参拝者の妨げにならないようご配慮ください。
  • 説法は厳かな雰囲気の中で行われます。静粛にお聴きください。

文化財

  • 木造大日如来坐像: 江東区指定有形文化財
  • 木造不動明王立像: 江東区指定有形文化財

関係のある有名人

  • 初代 市川八百蔵(歌舞伎役者): 墓所があります。
  • 初世 荒木古童(尺八奏者): 墓所および、その功績を偲ぶ「尺八塚」が建立されています。

アクセス

名称法乗院(深川閻魔堂)
読み方ほうじょういん(ふかがわえんまどう)
通称深川ゑんま堂
参拝にかかる時間10分
寺務所9:00~17:00
御朱印あり
電話番号03-3641-1652
ホームページhttps://www.enmado.org/
住所
最寄り駅東京メトロ東西線 「門前仲町」駅
 1番出口より 徒歩5分
都営地下鉄大江戸線 「門前仲町」駅
 6番出口より 徒歩8分

近くの神社仏閣

  • 富岡八幡宮: 徒歩約5分 (約400m) – 「深川の八幡様」と親しまれる江戸最大の八幡宮で、勧進相撲発祥の地。
  • 成田山深川不動堂: 徒歩約4分 (約350m) – 毎日行われる護摩祈祷が圧巻の、成田山新勝寺の東京別院。
  • 心行寺: 徒歩約1分 (約100m) – 深川七福神の福禄寿が祀られています。
  • 永代寺: 徒歩約6分 (約500m) – かつて富岡八幡宮の別当寺であった寺院。

近くの食事処

  • みかわ 是山居 (みかわ ぜざんきょ): 天ぷらの巨匠が揚げる、もはや芸術の域に達した天ぷら。特別な日に訪れたい最高峰の名店です。
  • 焼肉 静龍苑 (せいりゅうえん): 予約困難な焼肉の聖地。特に伝説的なタン塩は、一度味わえば忘れられない感動を約束します。
  • こうかいぼう: 魚介の優しい旨味が凝縮されたスープが、心と体に染み渡る人気のラーメン店。参拝後の空腹を優しく満たしてくれます。
  • とんかつ 丸七 本店: 蓋が閉まらぬほどの分厚いカツが乗った「焼きカツ丼」が名物。見た目の衝撃と確かな味わいで行列が絶えません。
  • 麺屋吉左右 (めんやきっそう): 濃厚ながらも洗練された豚骨魚介スープが自慢の、つけ麺・ラーメンの名店。麺とスープの調和が見事です。

参考

賢臺山法乗院 深川えんま堂
江戸三えんまの一つ「深川えんま堂」として知られる寺院。真言宗豊山派。歴史、年間行事、アクセス、拝観時間の案内。
永福寺 | 東京とりっぷ
東京都新宿区にある慶安元年(1648年)創建の禅寺(曹洞宗)、永福寺。新宿山ノ手七福神めぐりの福禄寿を祀っています。境内には像高1.7mの大日如来坐像(露座の金銅仏)、そして像高1.08mの地蔵菩薩の半跏趺坐(はんかふざ/座禅の坐法で一方の...

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