最近めっちゃハマってるんがひきわり納豆!ひきわり納豆は「納豆細かく刻んだらひきわり納豆やろ?」って思ってましたが違うのです!
知ってるようで知らんことだらけ。今回、「納豆」と「ひきわり納豆」の違いをガチ調べてまとめました。
納豆とひきわり納豆
納豆とは?
大豆(主に小粒種)を蒸した後、納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)で発酵させた発酵食品。
- 特徴
- 粒が残り、粘りが強く、食感はプチプチ
- 発酵過程でナットウキナーゼ(血栓溶解酵素)やビタミンK2が生成される
- 食物繊維が豊富(大豆の細胞壁が残るため)
ひきわり納豆とは?
大豆を砕いて皮を除去し、蒸してから納豆菌で発酵させたもの。
- 特徴
- 粒がなく、粘りが少なめで滑らかな食感
- 皮なしのため消化吸収が早く、アミノ酸や糖分の分解が進む
- 発酵時間が短く、表面積が大きいため納豆菌の数がやや多い傾向
- 国内生産量の全納豆の約15%(2022年日本納豆協会データ)
- 人気理由
- 高齢者:滑らかで咀嚼しやすい
- 若年層:ご飯に混ぜやすい
- 業務用:寿司ネタや加工食品向けに需要増加
ひきわり納豆の製造プロセス
1. 原料処理:大豆の砕きと皮除去
工程 | 詳細 |
---|---|
① 選別 | 小粒大豆(主に「すずまめ」「みすず」)を選別 |
② 砕砕 | ローラーやカッターで大豆を物理的に粉砕(直径2~3mm程度に破砕) |
③ 風選 | 砕いた大豆を風力で選別→軽い皮だけを除去(密度差を利用) |
④ 蒸煮 | 砕いた大豆を0.8~1気圧・110℃で40分蒸し、殺菌・軟化 |
2. 発酵:納豆菌の作用
工程 | 詳細 |
---|---|
① 接菌 | 蒸した砕大豆に納豆菌(Bacillus subtilis natto)を噴霧(1gあたり10^6~10^7CFU) |
② 発酵 | 温度40℃・湿度85%で12~18時間培養(通常の納豆より短い) |
③ 熟成 | 冷蔵庫で24時間熟成→アンモニア臭を低減 |
製造上の技術的課題
- 雑菌汚染リスク
- 砕く過程で内部組織が露出→黄色ブドウ球菌などの汚染リスク上昇
- 対策:蒸煮時間を通常より5分延長(115℃・45分)
- 粘質調整の難しさ
- 表面積増加で多糖類(ポリグルタミン酸)の生成量が不安定
- 解決法:発酵時の湿度を90%に調整し粘りを制御
家庭で再現する場合の注意点
- 砕き方はフードプロセッサー使用はNG(粉状になりすぎる)で石臼式ミルが最適
- 皮除去は砕いた大豆を水に浸し、浮いた皮をすくい取る
- 発酵時間は10時間で一度状態を確認(通常より早く糸を引き始める)
Q&A:製法に関する疑問
Q. 砕くことで大豆の脂質酸化が進みませんか?
→ 製造工程で蒸煮時にリポキシゲナーゼ(酸化酵素)が失活するため、開封前の酸化リスクは通常納豆と同等
Q. ひきわり納豆専用の納豆菌は存在する?
→ メーカーによっては高浸透圧耐性菌(OS-311株など)を使用。塩分濃度の高い環境でも発酵可能
ひきわり納豆の科学的特徴
1. 表面積増加による発酵効率化
- 砕くことで大豆の表面積が約3倍に増加→納豆菌が内部まで速く浸透。
- 結果:発酵時間が通常納豆(18~24時間)より30%短縮。
2. 栄養成分の変化
成分 | 通常納豆との差異 | 理由 |
---|---|---|
ビタミンK2 | 約7%増加(100gあたり930μg) | 発酵効率向上で菌の代謝活性が上昇 |
遊離アミノ酸 | グルタミン酸+15% | タンパク質分解酵素が砕いた組織に作用しやすく |
ナットウキナーゼ活性 | 約10%低い | 短時間発酵で酵素の生成量が減少 |
3. 微生物学的特性
- 納豆菌数は1gあたり10^9~10^10個(通常納豆より1桁多い)。
- 理由は砕いた大豆の凹凸が菌の付着ポイントを増加。
納豆とひきわり納豆の比較表
項目 | 納豆 | ひきわり納豆 |
---|---|---|
原料 | 丸ごとの大豆(皮付き) | 砕いた大豆(皮なし) |
製法 | 大豆を蒸→発酵 | 大豆を砕き皮除去→蒸→発酵 |
発酵時間 | 18~24時間 | 12~18時間(短め) |
納豆菌の数/g | 約10^8~10^9個 | 約10^9~10^10個(表面積大のため) |
食感 | 粒あり、粘り強くプチプチ | 滑らか、粘り少なめ |
栄養成分 | 食物繊維多め(皮の影響) | 糖分・アミノ酸多め(分解進む) |
ビタミンK2含有量 | 100gあたり約870μg | 100gあたり約930μg |
ナットウキナーゼ活性 | 高活性 | やや低活性(発酵時間短の影響) |
プリン体含有量 | 100gあたり約113mg | 100gあたり約105mg |
保存期間 | 冷蔵で約1週間 | 冷蔵で約5日(水分蒸発しにくい) |
価格 | 安価(100円前後) | やや高価(120~150円) |
納豆とひきわり納豆の健康効果の比較
効果 | 納豆の優位性 | ひきわり納豆の優位性 |
---|---|---|
血栓予防 | ◎(ナットウキナーゼ活性が高い) | △ |
骨強化 | ○(ビタミンK2豊富) | ◎(ビタミンK2がさらに多い) |
腸内環境改善 | ◎(食物繊維が多い) | △(食物繊維少なめ) |
消化吸収 | △(皮が消化に時間かかる) | ◎(アミノ酸・糖分が即利用可能) |
尿酸値リスク | △(プリン体やや多め) | △(僅かに少ないが差は微小) |
- 総合評価
- 納豆:腸内環境改善・血栓予防に適す
- ひきわり納豆:骨強化・消化吸収効率が良い
毎日食べるのはどっち?
- 推奨
- 交互に食べるのが理想的(両方のメリットを享受)
- 目的別選択
- ダイエット・便秘対策 → 納豆(食物繊維豊富)
- 骨粗鬆症予防 → ひきわり納豆(ビタミンK2多め)
- 注意点
- プリン体が気になる場合は1日1パック(40~50g)に制限
- 抗凝固剤(ワルファリン)服用者は医師に相談(ビタミンK2の影響)
結論
- 納豆は食物繊維とナットウキナーゼを重視する人向け
- ひきわり納豆は消化吸収とビタミンK2を優先する人向け
- 最適な摂取法は両者を週3回ずつローテーションで食べ、栄養バランスを最適化
※数値は日本食品標準成分表および納豆メーカーの分析データを参考にした推定値です。
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