星新一さんの作品は、短いながらも人間の本質を突いた、切れ味鋭いどんでん返しが魅力です。
面白いと評判の高い作品の中から、「読むべき順番」でリストアップしました。まずは入門編から、徐々に星新一さんの世界の奥深さに触れていけるように並べています。
1冊目:『きまぐれロボット』 (新潮文庫)

星新一入門として、これ以上ないほど最適な一冊です。SFといっても難解なことは一切なく、ユーモラスで心温まる話や、少しブラックな話がバランス良く収録されています。登場するロボットたちはどこか人間くさく、親しみやすいのが特徴。「短い物語の面白さ」と「あっと驚く結末」の楽しさを、まずこの作品で体験するのがおすすめです。
【本の特長】
- 博士が作った様々なロボットが巻き起こす騒動を描いた36編を収録。
- 一編が数ページで終わるため、朝の読書やスキマ時間に読むのにもぴったり。
- 読書が苦手な生徒でも、最後までスラスラ読めて達成感を得やすい。
2冊目:『ボッコちゃん』 (新潮文庫)

『きまぐれロボット』で星新一さんのスタイルに慣れたら、次はいよいよ代表作であり最高傑作との呼び声も高いこの作品へ。少し大人びたテーマや、社会を風刺するような切れ味の鋭い物語が多く含まれており、「星新一の真骨頂」に触れることができます。表題作「ボッコちゃん」の結末は、一度読んだら忘れられないでしょう。
【本の特長】
- バーの美人ロボット「ボッコちゃん」の物語をはじめ、50ものショートショートを収録。
- 人間の欲望、愚かさ、滑稽さなどを、SFというフィルターを通して描く。
- 物語の幅が広く、ページをめくるたびに全く違う世界に引き込まれる。
3冊目:『ようこそ地球さん』 (新潮文庫)

『ボッコちゃん』で感じた興奮を、さらに多くの物語で味わうための一冊。こちらも傑作ぞろいで、星新一ワールドにどっぷりと浸ることができます。宇宙人からの視点を通して、当たり前だと思っていた地球の常識がひっくり返されるような面白さがあります。「おーい でてこーい」という有名な一編もこの本に収録されています。
【本の特長】
- 地球を訪れた宇宙人や、不思議な現象に翻弄される人々の物語が満載。
- 常識を疑う視点や、物事の本質を考えるきっかけを与えてくれる。
- 国語の教科書に採用された作品も含まれており、親しみやすい。
4冊目:『未来のイソップ』 (新潮文庫)

ショートショートの面白さに慣れてきたら、次は「寓話」というテーマで括られたこの作品がおすすめです。誰もが知る「イソップ物語」の未来版として、一つ一つの物語に皮肉の効いた「教訓」が込められています。ただ面白いだけでなく、物語に隠されたメッセージを読み解くという、一歩進んだ読書の楽しみ方ができます。
【本の特長】
- 「~というわけで、〇〇には注意しなければならない」という形式で締められるのが特徴。
- 現代社会や人間の行動への鋭い風刺が効いている。
- 友人同士で「どの話が好き?」「この教訓ってどういう意味だと思う?」と話し合うのも楽しい。
もっと読みたい人へ
上記4冊を読んで、さらに星新一さんの作品を読みたくなったら、以下の作品もおすすめです。
- 『おせっかいな神々』: 神様が気まぐれに奇跡を起こす、少し不思議で哲学的な物語。
- 『悪魔のいる天国』: タイトルの通り、よりブラックユーモアや皮肉が効いた刺激的な作品集。
どの本から手に取っても面白いのが星新一さんのすごいところですが、ぜひこのリストを参考にして、最高の読書体験をスタートさせてみてください。
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