水天宮は「安産の神さま」として圧倒的な信仰を集めつつ、水徳・芸能・開運など多角的なご利益を持つ神社です。歴史的には「壇ノ浦の悲劇」から始まり、江戸庶民に愛された「情け有馬」の逸話、現代的な免震社殿へと連なる800年の変遷が特筆されます。御朱印は椿紋を中心に4種類以上が常時授与され、戌の日限定や七福神巡りなどバリエーションも豊富。都市型神社ならではの設備(エレベーター・待合室)も充実しており、家族連れでも安心して参拝できます。
御祭神
- 天御中主大神(アメノミナカヌシノオオカミ): 日本神話における天地開闢の際に最初に現れた神で、宇宙の根源神。
- 安徳天皇(アントクテンノウ): 第81代天皇で、壇ノ浦の戦いで入水された幼帝。
- 建礼門院(ケンレイモンイン): 安徳天皇の母。
- 二位の尼(ニイノアマ): 安徳天皇の祖母。
歴史
創建起源と伝承
- 壇ノ浦の戦いと創祀:
1185年、壇ノ浦の戦いで平家が滅亡し、安徳天皇(当時8歳)が二位の尼に抱かれて入水したとされる。しかし伝承では、女官・按察使局伊勢(あぜちのつぼねいせ) が天皇を救出し、筑後川(福岡県久留米市)に逃れたとされる。伊勢は出家して「千代」と名乗り、安徳天皇と平家一門の菩提を弔う祠を建立。これが尼御前神社として水天宮の起源となった。 - 椿の御神紋の由来:
安徳天皇が生存し、筑後の豪族の娘・玉江と恋に落ちた伝説がある。二人の契りの証として井戸端の椿を折り、これが「永遠の愛」を象徴する御神紋(椿紋)となった。
江戸への分祀と発展
- 江戸勧請(1818年):
久留米藩9代藩主・有馬頼徳が、藩邸内(現在の東京都港区三田)に久留米水天宮の分霊を勧請。当初は一般参拝が制限されていたが、人気の高まりを受け、毎月5日のみ開放。「情け有馬の水天宮」という洒落が流行し、江戸庶民の信仰を集めた。 - 明治期の移転:
1872年、有馬家中屋敷跡地である現在の日本橋蛎殻町に遷座。関東大震災(1923年)や東京大空襲(1945年)を経て再建され、2016年には免震構造を備えた現代的な社殿が完成(グッドデザイン賞・BCS賞受賞)。
伝説・神跡
- 安徳天皇生存説:
史書では入水とされるが、筑後での生存伝承が残る。千代松神社では按察使局伊勢を「創始者」として祀り、その足跡を顕彰。 - 癒やしの狛犬:
久留米総本宮の水神社前の狛犬は「体の悪い部分を撫でると治癒する」と言われ、参拝者が多く訪れる。 - 宝生辨財天の奇跡:
有馬頼徳が能楽の勝負で宝生流の技を競う際、辨財天に祈願して勝利した故事から、芸能上達の神として信仰される。
ご利益
水天宮は安産・子育ての神として特に有名ですが、水徳や開運など多様なご利益があります:
祭神 | ご利益 | 関連スポット |
---|---|---|
天御中主大神 | 万物の根源・開運招福 | 本殿(宇宙創生の神) |
安徳天皇 | 水難除け・子どもの守護 | 子宝いぬ(干支を撫でて祈願) |
建礼門院・二位の尼 | 安産・子授け・女性の守護 | 安産子育河童像(親子の絆を象徴) |
寶生辨財天 | 芸能上達・財運・学業成就 | 市杵島姫神社(毎月5日・巳の日開扉) |
特色的な祈願:
- 戌の日の安産祈祷:
妊娠5ヶ月目の戌の日に参拝すると「安産」のご利益が強いとされる。犬はお産が軽いことに由来。 - 子宝いぬ:
境内のブロンズ像。自分の干支を撫でながら願うと、安産や子育ての加護を得られる。
境内の見どころ
- 子宝いぬ: 撫でると安産・子授け・除災招福・身体健全のご利益があるとされる犬の像です。十二支の文字が刻まれており、自分の干支を撫でると良いとされています。
- 安産子育河童: 手水舎の横にある河童の銅像で、母河童に子河童たちがしがみつく姿が愛らしく、安産や子育てのご利益があると言われています。
- 寳生辨財天(ほうしょうべんざいてん): 日本橋七福神の一つ。金運、商売繁盛、学業、芸能にご利益があり、毎月5日と巳の日には御神体がご開帳されます。
- 社殿: 2016年に竣工した新しい社殿は、木のぬくもりを感じさせる現代的なデザインと、伝統的な和の要素が融合しており、地下には待合室なども完備されています。
- 参道: 清潔に保たれており、都心とは思えない落ち着いた雰囲気です。
アクセス
ご祭神 | 《主》天御中主大神,安徳天皇,《配》建礼門院,二位尼 |
創建時代 | 文政元年(1818) |
名称 | 水天宮 |
読み方 | すいてんぐう |
通称 | 情け有馬の水天宮 |
参拝時間 | 開 門:7:00~18:00 神札所:8:00~18:00 祈祷受付:8:00~15:15 |
トイレ | あり |
御朱印 | あり |
電話番号 | 03-3666-7195 |
ホームページ | http://www.suitengu.or.jp/ |
住所 | 東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1 |
最寄り駅 | ◼︎東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅 徒歩約2分 ◼︎都営浅草線 人形町駅 ◼︎東京メトロ日比谷線 人形町駅 徒歩約9分 ◼︎都営新宿線 浜町駅 徒歩約14分 |
近くの神社仏閣
- 小網神社: 日本橋七福神の一つで、強運厄除け・金運アップのご利益で知られます。
- 茶ノ木神社: 日本橋七福神の一つで、火防の神として信仰されます。
- 松島神社: 日本橋七福神の一つで、家内安全・商売繁盛のご利益があります。
- 銀杏八幡宮: 近くに位置する八幡宮。
- 永久稲荷神社: 日本橋箱崎町にある稲荷神社。
参考

安産・子授け | 東京都中央区 | 水天宮
水天宮:日本橋蛎殻町にある安産・子授け・お宮参り・七五三のご利益で有名な神社。水天宮は東京都中央区日本橋蛎殻町に位置する神社で、安産、子授け、七五三、初宮、芸能祈願、水難除けなど多くのご利益で知られています。家族や子供の健康を願う多くの参拝...
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