浄土宗八幡山浄光院 森巖寺

観光
要点
  1. 歴史と文化財
    1608年に結城秀康の位牌所として建立され、江戸時代には灸・針供養・富士講で有名な寺として賑わった。針供養は世田谷区指定無形民俗文化財に選定されている。
  2. 淡島堂と女性信仰
    淡島堂は女性の守り神として江戸時代から信仰を集め、婦人病治癒・安産・子授けなどのご利益があるとされる。淡島通りの名前も淡島様に由来する。
  3. 境内の多様な信仰対象
    本尊の弥陀三尊、閻魔大王像や不動明王像、弁財天、針塚・石棺など、さまざまな文化財や信仰の対象が境内にあり、多様な信仰を支えている。

森巖寺(しんがんじ)は、1608年(慶長13年)に結城秀康の位牌所として建立された。江戸時代には灸と針供養、そして富士講で名高い寺として知られ、多くの参詣者で賑わったと伝わる。毎年2月8日に行われる「森巌寺の針供養」は、世田谷区指定無形民俗文化財(風俗慣習)に指定されているほか、この寺院の界隈は「淡島の灸の森巌寺」として1984年(昭和59年)に「せたがや百景」に選定されている。2006年(平成18年)には、境内にあった富士塚の発掘調査が実施された。

本堂

出典:森巖寺HPより

本尊は、阿弥陀如来立像を本尊仏とする弥陀三尊(阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩)です。
黄金の弥陀三尊の元にある厨子に秀康公の位牌も安置されています。2度の火災に遭いましたが、現在の本堂は昭和39年に建立されました。

淡島堂

淡島様は女性にとってはとてもありがたい神様で、婦人病治癒を始めとして中でも女性の下半身の病に霊験があるといわれていて、婦人病平癒、安産、子授け、人形供養など、昔から女性の女性に関するあらゆることに霊験のある神とされ、守り神として江戸時代から女性の信仰を集めています。

出典:森巖寺HPより

現在の淡島堂が完成したのは天保7年。大黒様も安置されています。淡島堂に祀られる淡島様は、江戸時代、女性や子供に関するありとあらゆるご利益を授ける守り神と崇められていました。ご祭礼は医療と医薬の神の少彦名神。創建当時から佇む森巖寺の淡島堂は、開山上人に由来しています。
初代住職清譽存廓上人は紀州の出身で、持病の腰痛に悩まされていました。ある夜、故郷の淡島様が夢枕に立ち、灸治の零示を受けました。
早速、自分の足へ施灸すると、永年の腰痛が嘘のように全快したそうです。そのため、紀州加太の本社に願い出て境内に淡島様を勧請しました。
近くにある淡島通りの名前はこの淡島様に由来します。

不動堂・閻魔(えんま)堂

出典:森巖寺HPより

お堂に向かって左側に閻魔大王像、右側に不動明王像を安置します。この二つの像は、悩める人々を教え諭し、救いへと導く力強さの現れです。
閻魔大王はインド神話では光明神の一人とされ、人類の祖先で、最初の死者として浄土に住み、祖霊を司っていましたが、後に死者の生前の善悪の最終審判を下す地獄の神様となったと言われています。また、お地蔵さまの化身とも言われています。閻魔大王像は目を大きく見開き、怒った怖い顔をしていますが、これは再び罪を犯さないように叱咤しているためです。昔は子供の躾に「嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれる」と言ったものでした。四角い冠を被り、右手に笏を持ち、赤い衣装をまとっています。閻魔大王像の脇には、三途の川のほとりにいて、罪の重さの目安とする亡者の着物を奪い取る奪衣婆の像も置かれています。

弁財天

出典:森巖寺HPより

弁天様の名でも親しまれています。弁財天はもともとインドでは水の女神様でしたが、水の流れる音から音楽、しいては伎芸や福徳を司る神様と考えられるようになりました。また、河のめぐみをもたらす豊饒の神でもありました。森巖寺の弁天様は八本の手をもつ一面八臂の姿で、頭上に頭は人、体は蛇の老人の姿をした宇賀神像が乗っています。これは民間信仰であった農業神・穀物神の宇賀神と習合した形と見られています。弁天様にはいろいろな姿をしている像があり、森巖寺のように八臂の姿のものの他には、二臂で琵琶を抱える姿をしている弁天様もあります。また弁天様の水の神様という性格と、財宝を与えると言う利益が由縁となって、弁財天に参詣してお金を浄めるとお金が増えるという利益があるともいわれ、弁天様の近くに銭浄があります。

針塚・石棺

出典:森巖寺HPより

毎年12月8日に行われている針供養は道具を大切に扱った先人達の思想を今に伝える貴重な存在となっています。古針・折針を豆腐に刺して供養し、供養された針は豆腐より抜き取られ、淡島堂正面にある石棺に納められます。森巖寺における針供養の創始は不詳ですが、安政3年(1856)刊行の『狂歌江戸名所図会』には同寺の針供養に関連した狂歌が詠まれており、遅くとも安政期にはこの地で針供養が行われ、その施灸と共にかなりの著名であったようです。

アクセス

名称森巌寺
読み方しんがんじ
住所東京都世田谷区代沢3-27-1
開門時間24時間
御朱印受付時間9時~17時
電車小田急線・京王井の頭線「下北沢駅」より徒歩約8分
トイレなし
電話番号03-3421-1730
ご本尊阿弥陀如来像
山号八幡山
院号浄光院
宗旨・宗派浄土宗
創建時代慶長13年(1608年)
開山・開基開基:結城中納言秀康公
開山:清譽存廓上人

参考

浄土宗八幡山浄光院 森巖寺 – 浄土宗八幡山浄光院 森巖寺
森巌寺 (世田谷区) - Wikipedia

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