真龍寺は2019年(令和元年)春に小田原に移転し、堂宇は解体された。
- 真龍寺の歴史と特徴
東京都世田谷区にある曹洞宗の寺院で、1929年に創建。大雄山最乗寺の末寺として「世田谷の道了尊」と呼ばれ、節分会の「天下一天狗道中」が「しもきた天狗まつり」のメインイベントとして親しまれた。2019年に小田原に移転し、堂宇は解体された。 - 天狗の面と本尊
境内には高さ3メートルの巨大な天狗の面があり、商売繁盛・平和・勇気を象徴。本尊は道了大薩埵(十一面観世音)で、道了は天狗に姿を変じて昇天したと伝えられる。 - しもきた天狗まつりの特色
毎年節分に開催される「しもきた天狗まつり」では、天狗や山伏が行列をなし、巨大な天狗の面が山車に乗って商店街を練り歩く。掛け声は「福は内」を3回繰り返し、「鬼は外」とは言わないのが特徴。
真龍寺(しんりゅうじ)は、東京都世田谷区北沢二丁目にあった寺院。曹洞宗に属し、大雄山最乗寺(神奈川県南足柄市)の末寺として1929年(昭和4年)に創建された。「世田谷の道了尊」として知られ、節分会の行事として始まった天狗道中は「天下一天狗道中」となって「しもきた天狗まつり」のメインイベントとして親しまれている。この寺院と「しもきた天狗まつり」は「天狗まつりと真龍寺」として、1983年(昭和58年)に「せたがや百景」に選定された。その他に境内が「下北沢音楽祭」などのステージやイベントに使用されるなど、地元とのつながりが強い寺院だった。
境内と文化財
境内で目を惹くのは、歴史の項でも触れた大きな天狗の面である。この面は高さ3メートル、幅約2メートルあり、長い鼻は「商売繁盛」を、葉うちわは「平和」、そして高下駄は何事にも負けずに踏み越えていく「勇気」を表していると伝えられている。この天狗は道了尊の化身でもあり、威徳と神通力をもって厄災を除く利益があるという。「しもきた天狗まつり」のメインイベント、天下一天狗道中では山車に乗って行列とともに商店街を練り歩いている。
本尊は道了大薩埵(十一面観世音)である。道了は、最乗寺開山の了庵慧明の弟子であったと伝わる。1394年(応永元年)の最乗寺開創の際に、道了はその怪力を生かして大いに働いた。1411年(応永18年)3月に了庵慧明が没すると、道了は寺の守護と衆生救済を誓い、天狗に姿を変じて昇天したという。
しもきた天狗まつり
真龍寺は、毎年節分の時期に行われる「しもきた天狗まつり」のメインイベント、「天下一天狗道中」の起点及び終点となっている。天下一天狗道中は大天狗、小天狗、烏天狗や山伏、福男や福女などが行列をなし、最後尾には普段は天狗堂に鎮座している巨大な天狗の面が山車に乗って随行する。ほら貝や太鼓の音に合わせて下北沢駅の北口近辺や商店街などを練り歩いて豆を撒くが、このときの掛け声は「福は内」を3回繰り返すのみで「鬼は外」とは絶対に言わない。これは真龍寺開山の伊藤道海が、「心の中に福を満たせば、鬼は自ら退散していく」と教えていたことに拠るという。
アクセス
号 | 大雄山 |
院号 | – |
寺号 | 真龍寺 |
住所 | 東京都世田谷区北沢2-36-15 |
電話番号 | 03-3467-5966 |
宗派 | 曹洞宗 |
最寄り駅 | 小田急小田原線 下北沢駅 |
参考

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