正宝院(しょうぼういん、旧字体:正寶院)は、東京都台東区にある天台宗系の単立寺院。
浅草寺のすぐ近くに位置する正寶院(しょうぼういん)は、江戸時代から続く歴史を持つ真言宗智山派の寺院です。ご本尊の不動明王は、あらゆる災難や煩悩を打ち砕き、願いを成就させると信仰されています。浅草の賑わいの中にありながら、一歩足を踏み入れると静寂に包まれる境内は、都会の喧騒を忘れさせてくれる心の安らぎの場。江戸の歴史と信仰を感じられる隠れた名刹です。
ご本尊
不動明王(ふどうみょうおう)
山号・宗旨・宗派
- 山号(さんごう): 宝徳山(ほうとくざん)
- 宗派: 真言宗智山派(しんごんしゅうちざんは)
ご由来
当寺は1530年に本山派修験僧の正山上人によって開かれた修験系天台宗の単立寺院です。
正山上人は修験道の聖地和歌山県熊野から奈良県吉野にいたる大峯山で修行後諸国を巡歴しました。そして竜泉のこの地で村人に宿を施してもらったある日のことです。
上人は一筋の光と共に立ち昇る龍の夢を見ました。龍の夢はお不動様のご加護を象徴するものです。そこで上人は投宿の世話をしてくれた村人達の息災延命と自らの旅の安全を祈ってお不動様を刻み、この地に奉安しました。
寺号は、龍が光を放ち空へ昇った吉夢に従い、龍光山三高寺正寶院りゅうこうざん さんこうじ しょうぼういんと名付けられました。以来旅人の守り本尊として、また災厄消除の祈願寺として信仰されています。
飛行護
本尊は不動尊であり、「飛不動」と呼ばれている。これは当時の住職が大和国(現・奈良県)の大峰山で修行するため、本尊の不動尊を携えてきたところ、一夜にして当院に飛び帰ったことから、そう呼ばれるようになった。
これらの故事により、「航空安全」のご利益があるとされ、航空関係者や飛行機を利用する旅行者の信仰を集めるようになった。小惑星探査機はやぶさが一時行方不明になった際に、プロジェクトマネージャの川口淳一郎は当院を参拝し、はやぶさの無事帰還を祈ったという。
また「航空安全」は「落ちない」に通じることから、合格祈願の受験生の参拝者も来ている。そして「もっと飛ぶように」ということでゴルフ愛好家らも訪れるという。
歴史
正寶院の創建は、江戸時代の寛永元年(1624年)とされています。開山は弘法大師空海の法孫にあたる、賢秀上人(けんしゅうしょうにん)です。当初は現在の千束にあったと言われていますが、江戸幕府による都市整備に伴い、元禄6年(1693年)に現在の浅草地蔵町(現在の浅草2丁目)へ移転しました。江戸時代には、周辺の有力な寺院として、地域住民の信仰を集めていました。度重なる火災や関東大震災、東京大空襲の被害を乗り越え、その都度再建され、現在に至っています。
ご利益
- 厄除け・災難除け: 不動明王の力により、あらゆる災厄から身を守るとされます。
- 諸願成就: 願い事が叶うご利益があります。
- 開運招福: 運気を高め、幸福を招くと言われます。
- 商売繁盛: 地域に根差した寺院として、商売の繁栄も祈願されます。
境内の見どころ
- 本堂: 震災や戦災を乗り越え再建された本堂は、歴史を感じさせる重厚な雰囲気があります。
- 庭園: 浅草の街中にありながら、手入れの行き届いた落ち着いた庭園があり、静かに過ごせる空間です。
- 石仏: 境内のあちこちに趣のある石仏が点在しており、それぞれに歴史を感じさせます。
アクセス
ご本尊 | 飛不動尊 |
山号 | 龍光山 |
院号 | 正寶院 |
宗旨・宗派 | 単立 |
創建時代 | 享禄3年(1530) |
文化財 | 木造阿弥陀如来坐像(台東区登載文化財) |
名称 | 正寶院(飛不動尊) |
読み方 | しょうぼういん |
通称 | 飛不動 |
御朱印 | あり |
電話番号 | 03-3872-3311 |
ホームページ | http://tobifudo.jp/ |
住所 | 東京都台東区竜泉3-11-11 |
最寄り駅 | ◼︎東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅 徒歩約14分 ◼︎東京メトロ日比谷線 入谷駅 徒歩約21分 ◼︎都電荒川線 三ノ輪橋駅 徒歩約21分 |
近くの神社仏閣
- 浅草寺(せんそうじ): 浅草の象徴的な寺院で、雷門や仲見世通りが有名です。
- 浅草神社(あさくさじんじゃ): 浅草寺の隣に位置し、「三社祭」で知られます。
- 矢先稲荷神社(やさきいなりじんじゃ): 江戸時代の馬場跡にあり、スポーツ上達や勝負運にご利益がある神社です。
- 待乳山聖天(まつちやましょうでん): 浅草寺の支院の一つで、聖天様を祀り、商売繁盛や学業成就にご利益があります。
参考

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