日本橋日枝神社は、徳川家康の江戸開府とともに始まった「御旅所」 として、山王祭や金融街の発展を見守ってきた歴史的スポットです。特徴的なのは:
- 上向き狛犬に象徴される「運気上昇」のパワー。
- 証券街ならではの「かぶ守」 や明徳稲荷神社による商才開運。
- 子宝・学問など多角的なご利益を持つ神々の共存。
御朱印は「山王御旅所」の墨書が歴史を物語り、平日朝の静かな参拝が特におすすめ。都心のビル群に囲まれながらも、江戸の息吹を感じられる稀有な空間です。
💡 参拝のポイント:
- 混雑回避は平日朝がおすすめ。月曜7:00~8:30は「山王朝参り」で昇殿祈祷可能。
- 運気上昇祈祷(要予約)は毎月1日・15日・一粒万倍日に実施。巫女舞と金色かぶ守付き。
御祭神
- 主祭神:日枝大神
- 大山咋神(おおやまくいのかみ):山の神、水の神、地主神、殖産新興・開拓の神、安産の神。
- 国常立神(くにのとこたちのかみ):始源神・根源神。
- 伊弉冉神(いざなみのかみ):創造神、海の神、製鉄の神。
- 足仲彦尊(たらしなかつひこのみこと):第14代仲哀天皇。武の神。
- 相殿(合祀)
- 菅原大神(すがわらのおおかみ/菅原道真公):学問の神。
- 稲荷大神(いなりのおおかみ/宇氣母智神:うけもちのかみ):五穀豊穣の神。
- 浅間大神(あさまのおおかみ/木花佐久夜比売命:このはなのさくやひめのみこと):富士山の神霊、水の神、安産・子育ての神、美の神。
歴史
創建起源と御旅所としての役割
- 1590年(天正18年):徳川家康の江戸城入城に際し、江戸城鎮守である赤坂日枝神社の神輿を現在地(当時は「八丁堀北嶋祓所」)に安置したことが起源。
- 御旅所の成立:山王祭(隔年開催の江戸三大祭)で神輿が巡行途中に休憩する「御旅所」として機能し、「山王御旅所」の通称で親しまれた。
江戸時代の隆盛と神仏習合
- 境内には山王権現の本地仏・薬師如来像(恵心僧都作)を祀る薬師堂や閻魔堂が建立され、縁日や勧進相撲が開催される信仰の中心地だった。
- 『江戸名所図会』(1800年)には、神主・樹下氏管理の「山王宮」と別当寺・観理院管理の「山王権現」が並ぶ様子が描かれている。
近代以降の変遷
- 明治維新:神仏分離令(1868年)で薬師堂と別当寺・智泉院が分離。
- 大正期:赤坂日枝神社の官幣大社昇格に伴い「摂社」に指定され「日本橋日枝神社」に改称(1915年)。
- 戦災と再建:1923年関東大震災後、1928年に鉄筋コンクリート造の社殿を再建。1945年東京大空襲で被災するも修復され、2022年に外装改修を実施。
伝説・神跡
「上向き狛犬」の由来
- 1934年(昭和9年)、関東大震災復興祈願として奉納。江戸三大名工・酒井八右衛門作の狛犬が「天を仰ぐ」珍しい姿勢で、「運気上昇」の象徴とされる。
- 現在も「運気上昇祈祷」の対象となり、仕事運・出世運を願う参拝者が多い。
山王祭と御神幸
- 山王祭では、赤坂本社から神輿が船で日本橋川を下り当社に到着。この神幸ルートは400年以上続き、江戸時代は「天下祭」と称され将軍も観覧した。
ご利益と祭神
主祭神と特徴的なご利益
祭神 | ご利益 | 特徴 |
---|---|---|
大山咋神 | 商売繁盛・産業発展 | 山と水の守護神。万物の成長を司る。 |
国常立神 | 人生の基盤安定・地に足をつける | 天地創造の神。転職・起業のサポート。 |
伊弉冉神 | 子宝・安産・女性守護 | 縁結びや家庭円満にも。 |
菅原道真公 | 学業成就・至誠の徳 | 受験やキャリアアップの祈願に。 |
木花佐久夜比売命 | 災害除け・美容健康 | 浅間大神として火難防護。 |
証券街ならではのご利益
- 「かぶ守」:株価上昇と自己価値向上を祈念。白色(純粋な願い)・金色(特別祈祷限定)など色別に効果が分化。
- 明徳稲荷神社:東京証券取引所ゆかりの境外社。玉垣に東証や証券会社名が刻まれ、金融業界の信仰を集める。
境内の見どころ
- 社殿:ビジネス街の中にありながらも、落ち着いた雰囲気を保っています。
- 狛犬:天を仰ぐ珍しい狛犬が特徴で、関東大震災からの復興と運気上昇を願って奉献されたものと言われています。
- 明徳稲荷神社:日本橋日枝神社に隣接していますが、独立した神社です。朱色の鳥居が連なる稲荷参道があり、火伏せの神として知られています。
- 山王祭の巡幸路:隔年で開催される山王祭では、本社の日枝神社から日本橋日枝神社まで、華やかな神輿や山車の行列が巡幸します。
文化財
日本橋日枝神社自体に指定文化財はありませんが、本社である日枝神社(千代田区)には国宝・重要文化財の刀剣や屏風などが多数保存されています。
アクセス
ご祭神 | 日枝大神(大山咋神・国常立神・伊弉冉神・足仲彦尊) 菅原大神(菅原道真公) 稲荷大神(宇氣母智神) 浅間大神(木花佐久夜比売命) |
名称 | 日本橋日枝神社 |
読み方 | にほんばしひえじんじゃ |
通称 | 山王御旅所 |
参拝時間 | 08:00〜17:00 |
御朱印受付時間 | 08:00〜16:00 |
御朱印 | あり 兜神社(日本橋兜町)の御朱印も対応可能 要申し出。 |
電話番号 | 03-3666-3574 |
ホームページ | https://www.hiejinjanihombashisessha.tokyo |
住所 | 東京都中央区日本橋茅場町1-6-16 |
最寄り駅 | ◼︎東京メトロ日比谷線 茅場町駅 ◼︎東京メトロ東西線 茅場町駅 徒歩約3分 ◼︎都営浅草線 日本橋駅 徒歩約7分 ◼︎東京メトロ銀座線 日本橋駅 ◼︎東京メトロ東西線 日本橋駅 徒歩約12分 ◼︎東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅 徒歩約14分 |
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参考
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日本橋日枝神社は「摂社」「御旅所」と呼ばれ江戸の時代より氏子崇敬者に親しまれています。年間を通して各種祭典やご祈祷、結婚式など様々な事を御奉仕しています。
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